FLAME DREAM

  スイスのプログレッシヴ・ロック・グループ「FLAME DREAM」。77 年結成。86 年解散。作品は六枚。未 CD 化の代表格。

 Calatea
 no image
Urs Hochuli bass, vocals
Peter Furrer drums, percussion
Urs Waldispühl guitars, vocals
Roland Ruckstuhl keyboards
Peter Wolf woodwind, vocals

  78 年発表のアルバム「Calatea」。 内容は、リズミカルできらびやかなシンフォニック・ロック。 徹底した変拍子オスティナート、無理やり気味のリズム・チェンジによる忙しない演奏を、サックスやアナログ・シンセサイザーが流れ星のように切り裂いてゆく。 なめらかでカラフルながらどこかルーニーで、グロテスクなタッチである。 70 年代後半らしい華美でキッチュな色合いとヴォーカルに代表されるもっさりとした垢ぬけなさを我慢できれば、 変拍子のトンがったトゥッティ、GENESIS 風のキーボード遣いや緊張感ある KING CRIMSON 風の木管楽器による緻密な器楽を楽しむことができる。 キリキリとネジを巻くような、無暗に飛び跳ねるような神経症風のプレイが多いだけに、ピアノとフルートらによるアコースティックでクラシカルな演奏が際立つ。

  「Gate To Calatea」(5:52)
  「Survey From The Summit」(5:18)
  「Volcano」(11:14)
  
  「Pyramids」(5:03)ジャズっぽさを見せるのが意外。
  「Apocalypse Of Sounds」(6:34)ファンタジックかつ重厚な傑作。
  「Gate Out Of Calatea」(8:30)つい「Knife」か?と思ってしまった、前曲の叙情性からの武骨に躍動するアンサンブルへの変転。第一曲を回想して無限のかなたに去ってゆく。
  
(Philips 6326 067)

 Elements
 no image
Urs Hochuli bass, effects, bass pedals, vocals
Peter Furrer drums, percussion
Roland Ruckstuhl keyboards, tape
Peter Wolf vocals, woodwind, saxophone

  79 年発表のアルバム「Elements」。 ギタリストが脱退し、ギターレスの四人編成となる。 高音管楽器、キーボードをフィーチュアした稠密かつメロディアスなシンフォニック・ロック。 細やかに刻まれるリズム、絶えずさざ波のように打ち寄せるキーボード、主張の強いベースらによるタイトな演奏に加えて、ニューウェーヴ、AOR っぽさとプログレの奇跡的なブレンドという点でも GENESIS との共通性がある。 ソフトなサウンド要素を組み上げて揺るぎない、緻密なアンサンブルを構成し、執拗に迫り、結果としてヒリヒリする緊張感を生み出す作風である。 たとえていうなら、可愛らしい外見だが、性格が滅茶苦茶ガンコな女の子である。 高音域が主な中で中低音で一線画すサックス、透き通った幻想性をもつオーボエの音が印象的。 4 曲目の幸福感あるエンディングがいい。 前作よりは全体に洗練されている。

  「Sun Fire」(9:53)
  「Sea Monsters」(13:31)

  「Earth Songs」(6:53)
  「A Poem Of Dancing」(13:10)
  「Savate? Nose」(1:26)

(VERTIGO 6326 976)

 Out In The Dark
 no image
Roland Ruckstuhl keyboards
Peter Wolf vocals, woodwind
Urs Hochuli bass, vocals
Peter Furrer drums, percussion
Dale Hauskins guitars

  81 年発表のアルバム「Out In The Dark」。 ギタリストが加入。 内容は、マニアックなリズムとキーボード・サウンドへのこだわりが独自のポップセンスと結びついたファンタジックなシンフォニック・ロック。 前二作よりもロマンティックなメロディ・ラインを際立たせる抒情的な作風になっている。 ギタリストはアラン・ホールズワース風のレガートなフレージングを得意とし、リズミカルなフレージングを駆使するキーボードとの対比をうまく生かして、メロディを支えている。 硬質で精緻なアンサンブルも技巧的な演奏のカタルシスにとどまらない、よりストレートな美感を打ち出している。 本家 GENESIS と同じような道筋を経てメイン・ストリームへと寄ってきているイメージだ。 「A Trick Of The Tail」の敷き写しのようなところが多い。

  「Full Moon」(5:22)
  「Nocturnal Flight」(5:32)
  「Out In The Dark」(9:29)後半の技巧的な演奏にはこれまでのようなルーニーな忙しなさではなく、キャッチーな愛らしさがある。
  
  「Wintertime Nights」(4:02)"A Trick" GENESIS そのものな技巧的作品。
  「Strange Meeting (part one)」(9:07)
  「Caleidoscope」(5:37)これまでの作風に近い硬い宝石のようなアンサンブル。
  「Strange Meeting (part two)」(1:50)
  
(VERTIGO 6367 016)


  close