ウルグアイのキーボーディスト「Armando Tirelli」。SEXTETO ELECTRONICO MODERNO、EXODO に参加。唯一のソロ作で有名。
Armando Tirelli | keyboards, piano, mellotron, organ, synthesizer, vocals |
J. C. Sheppard | drums, percussion, vocals |
J. Carrara | bass |
G. Bregstein | sax, flute |
G. Chainbun | flute |
Rody Tróccoli | guitar |
Ricardo Bozas | drums |
Roberto Fontana | narration |
78 年発表のアルバム「El Profeta」。
70 年代カウンター・カルチャーに強い影響を与えたカリール・ジブランの「預言者(The Prophet)」をモチーフにしたトータル作。
内容は、キーボード、ギター、リズム・セクションのバランスの取れたジャジーかつクラシカルなロック・オペラ。
ナレーション、いや、熱っぽいアジテーションがドラマを導き、技巧的にして包容力のあるアンサンブルがカラフルにメロディアスにスリリングにストーリーを彩る。
ロマンあふれる情熱的なロックとしての充実度が高いので、多彩な音楽性を散りばめるアレンジが見事に効いて、理想的な音楽になっている。
ヴォーカル・ハーモニーに象徴される 70 年代らしい若々しい熱気と宴の後の虚脱感、そしてえもいわれぬ哀愁が全編を貫き、郷愁にとどまらぬ深い感動を呼ぶ。
イタリアのカンタトーレの優美でシンフォニックな作品を、よりロック寄りに強めて、エネルギッシュにしたようなイメージである。
南米ロックを代表する傑作。
ピアノを含むリズム・セクションをはじめ、安定感あるバンド・アンサンブルのおかげで全編に心地よいテンションがキープされている。
要所で展開をリードするテーマを提示するフルート、エキセントリックなサウンドでアクセントするシンセサイザーのプレイが特に印象的。
原案である「預言者」は、小さいですが味わいのある書物です。不安な時代に拠りどころになってきた、というのもうなずけます。
「Prólogo El Profeta」(8:26)
「Candombe Samba」(4:52)シャープにして豊麗なイメージのインストゥルメンタル。IL VOLO をラテンの涼風にさらした感じ。
「Barco De Los Sueños」(2:27)若々しい讃歌。
「Tema Central El Profeta」(2:06)P.F.M やジョージ・マーティンに通じる情熱と哀愁にあふれるアレンジのみごとさ。
「El Momento De Partir」(1:47)ハーモニーによる牧歌調のバラード。アコースティックな音にシンセサイザーが巧みに入れ込まれている。
「Amanecer En Orphalese」(2:40)クラシカルなソロ・ピアノが導く哀愁のラテン・ロック。ピアニストはなかなかの豪腕。
「Háblanos Del Matrimonio」(5:28)ピアノとシンセサイザーによるジャジーでアヴァンギャルドな序奏、そして苦悩のモノローグから慈愛のバラードへ。
「Háblanos Del Dar」(3:09)
「Háblanos Del Amor」(3:45)ファズ・ギターがリードするソウル・ロック。
「Los Ecos De Almustafá」(3:28)
「Háblanos De Los Hijos」(4:59)
「Tocata Scarahuala」(0:34)
「Tema Central El Profeta」(1:46)
(LD 7801 / RR-0190)