ドイツのフォークロック・グループ「BRÖSELMASCHINE」。 69 年結成。 作品は三枚。 コミューンで音楽を作り生活したヒッピーたちだ。 ギタリストのペーター・ブルシュはギター教本の著者として有名だそうだ。 PILZ レーベル。
Jenni Schücker | vocals, flute, bell |
Willi Rismer | vocals, electric & acoustic guitar, zither |
Lutz Rimger | Metallophon, bass |
Mike Hellbach | congas, tablas, spoon, Mellotron |
Peter Bursch | vocals, acoustic guitar, sitar, flute |
71 年発表のアルバム「Bröselmaschine」。
内容は、アコースティックでヘヴンリーなフォーク・ソング。
ほんのりとサイケデリックな酩酊感もあり。
アコースティック・ギターの柔らかなストロークと幻惑的なアルペジオが織りなす幾何学模様を、ラヴリーなフルートとたゆたう男女ヴォーカルがソフトにトリミングする名品である。
ゆらめくヴォーカル・ハーモニー、パーカッションの響き、花にたかって唸る虫のように暖かなメロトロンが心地よい眠りを誘う。
瞑想へと導くマジカルな空気、もしくは朝寝坊の心地よさ。
それでいて、どことなく暗い翳りもある。
リリカルなオープニングから曲を経るに連れ、魔術的なサウンドが充実し、瑞々しくも痺れるような毒の花々で精神の沃野を潤してゆく。
きらめくようなアコースティック・ギターと男女のハーモニーが美しいトラッド・アレンジの 2 曲目は、INCREDIBLE STRING BAND を思わせる佳作。
3 曲目は、7th のモダンな響きを交えたファンタジックなアコースティック・ギター・デュオ。
4 曲目は、神秘のフルートとサイケなギターがきわどくバランスする佳曲。
そして後半 2 曲は、シンプルな流れが感動を呼ぶ名作。
シタール、タブラなど目いっぱいインドがかった 5 曲目は、ドイツ語の女性モノローグがなぜか VELVET UNDERGROUND を思わせるサイケ・フォーク。
疾走の果てにメロトロンでダメを押す。
また、ツィターとギターが美しい 6 曲目は、ボサノヴァ風の柔らかな歌が、いつのまにか部屋をピースフルな香気で満たしてゆき、気がつけばお花畑である。
ジャケットもとても可愛い。
ヴォーカルは英語とドイツ語。
「Gedanken」(5:06)
「Lassic(trad.)」(5:06)
「Gutarrenstück」(2:03)
「The Old Man's Song」(5:26)
「Schmetterling」(9:31)
「Nossa Bova」(8:06)
(Pilz 20 21100-2 / spalax 14882)