Michalis Grigoriou

  ギリシャの現代音楽家「Michalis Grigoriou」。 47 年生まれ。電子音楽のパイオニア。

 Farewell To The Sea
 
Savina Yannatou voice
Michalis Grigoriou piano, syntheseizers

  97 年発表のアルバム「Farewell To The Sea」 ピアノ、シンセサイザーと稀代の歌姫サビナ・ヤナトウのヴォーカルの織り成す静謐な作品である。 エキゾチズムあふれるピアノ曲も美しいが、聴きものは、やはりタイトル組曲だろう。 ミステリアスなシンセサイザーとヤナトウの崇高なヴォーカルが織り成す幻想物語であり、グレゴリアン・シャントの如きモーダルなスケールと深遠な奥行きをもつ音響が、どこまでも謎めいた、そして汎欧的な哀感と無常感に満ちた世界へ誘う。 最終曲のピアノとシンセサイザー・オーケストレーションに示されるように、古代幻想のような深みと現代的な音響がマッチした、きわめてプログレッシヴ・ロック的作品である。 他の作品も CD 化が待たれる。 タイトル、曲目など、元々はすべてギリシャ語表記です。

  「August In The Midst Of The Sky」(14:00)ピアノ伴奏による独唱。四部構成。詩は、アリス・アレクサンドロによる。82 年作。
  「Doana」(11:49)ピアノ伴奏による独唱と男声モノローグ。三部構成。詩は、タキス・シノポウロスによる。77 年作。
  「Farewell To The Sea」(30:43)シンセサイザーとヴォイスのための幻想的な作品。 七部構成。 管弦楽をシミュレートするサウンドから、冷徹で透明感のある独特のサウンドまでシンセサイザーを駆使している。 詩は、タキス・シノポウロスによる。91 年作。 実況録音。

(MINOS EMI 7243 8 55910 2 0)


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