PASAJERO LUMINOSO

  アルゼンチンのプログレッシヴ・ロック・グループ「PASAJERO LUMINOSO」。 2013 年結成。作品は五枚。NATIONAL HEALTH などカンタベリー・ジャズロックの正統後継者。

 Afuerino
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Juan Pablo Moyano guitars
Leopoldo “Pepo” Limeres keyboards
Pablo Valotta bass
Fabián Miodownik drums, percussion

  2015 年発表のアルバム「Afuerino」。 内容は変拍子や込み入ったフレーズをメロディアスにまろやかに織り上げるカンタベリー風のジャズロック。 メロウなファズ・ギターとアコースティック/エレクトリック・ピアノがリードする、諧謔味こそ薄めだが優美で洒脱、スリリングで若干へそ曲がりなパフォーマンスは、まさしくカンタベリーのそれである。 ロマンティックかつ軽やかなタッチで聴きやすいのに、どこかアブストラクトで捻じれている。 しかしその捻じれは狷介でアヴァンギャルドな領域に踏み出すほどではなく、あくまで「美人のしかめ面」レベルであり、美人は美人のままである。 アルゼンチン、中南米の民謡などもほんのり取り入られていて、無機的になり過ぎないための彩りになっている。 全曲インストゥルメンタル。

  「Eolionimio」(5:37)
  「Afuerino」(6:22)
  「Doble Sombra」(5:14)
  「Los Elementos」(5:01)
  「Encantamiento」(6:04)
  「Los Vivos」(4:42)
  「Hijo De Druida」(4:33)
  「Las Viuditas」(4:49)
  「Los Muertos」(4:55)
  
(PASLU062VIR)

 El Corazón De Las Ballenas
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Juan Pablo Moyano guitars
Fabián Miodownik drums, percussion
Pepo Limeres piano, organ, synthesizer
Ezequiel Rivas bass
guest:
Adolfo Trepiana bandneon on 4
Pablo Carreras viola on 3
Ivonne Guzman vocals on 10

  2017 年発表のアルバム「El Corazón De Las Ballenas」。 内容は、情感を真っ直ぐに表現した、素朴ですらあるカンタベリー・ジャズロック、フュージョン。 通底するのはファンタジックだが耽美でなく健やかで洒脱なこと。そしてほのかな官能美があること。 初期 RETURN TO FOREVER の衣鉢を継ぐ作風である。 70 年代の作品といってもさほど違和感はない。 変拍子を駆使するがメロディ、ハーモニーの口当たりの良さがそれを意識させず、むしろ軽やかな躍動感を生むのに役立っている。 甘い音なのに独特のぶっきらぼうでスクエアな(無調風の)アンサンブルをキメるところも本家流。 アコースティック・ピアノの誠実さのにじみ出る(ときにクラシックのエチュードのおさらい中とすら思わせる)プレイが気持ちいい。 クラシカルなプレイはもとよりジャジーなアドリヴでもていねいな音遣いをしている。 音数に頼らないドラマーの技も楽しい。 ギタリストはオーソドックスなロック、ジャズをこなせるテクニシャンだろう。フィル・ミラーを思わせる訥弁スタイルもみごとにカヴァーしている。 いくつかの曲ではゲストを迎えて曲想の充実を図っている。(クレジットでは 3 曲目にバンドネオン、4 曲目にヴィオラとあるが、実際は 3 曲目にヴィオラ、4 曲目にバンドネオンが参加)
  プロデュースはグループ。

  「El Corazón De Las Ballenas」(6:21)
  「Los Cuentos Del Arce」(6:45)
  「Madre Del Universo」(5:54)
  「Un Jardín En La Pared」(5:29)
  「Te La Debo」(5:39)カンタベリーのヘヴィな面をうまく演出している。カッコいい。
  「La Muleta」(6:08)
  「Vencedor De Sillas」(5:23)
  「El Sonido De Las Mariposas」(5:01)
  「Mam´, Me Gusta Gal Costa!」(5:57)
  「20 Días Sin Dormir Para Despertar」(6:15)
  
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