Chris Cutler | drums, percussion, electronics |
Rene Lussier | guitar, 6 string bass, percussion, whistling, cassettes |
Jean Derome | voice, flutes, saxes, keyboards, game calls, electornics |
guest: | |
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Tom Cora | bass on 1 |
96 年発表のアルバム「Three Suite Piece」。
タイトル通り三つの組曲で構成されたアルバムである。
第一曲「La Suite Des Trois Pommes」は、バッハの無伴奏チェロ作品からインスパイアされた組曲。
確かにどことなく聴き覚えのある主題が現れるが、ノイジーな特殊奏法やフィドル風のギター、チェロを中心にカントリー風味が強いところに立ち現れるだけに独特の味わいが出ている。
弦楽器風の持続音が DAXOPHONE だろう。
アコースティックなテイストが CONVENTUM と共通している。
第二曲「The Don'T Worry Suite」は、楽器や声を「ノイズ発生器」として扱い、普通の演奏をコラージュの素材としている前衛的な作品。
なぜかレコメン系のバンドで使われるオルガンの音はどれも同じように金属的に聴こえる。似ているということは、何か決まった特殊奏法があるんでしょうか。ライヴ録音。
第三曲「The Cold Storage Suite」は、逸脱系アンサンブルによる KING CRIMSON ばりの演奏やエレクトリックなノイズ、インダストリアルな音響実験、管楽器中心のフリージャズ、ドローンと歪んだカンタベリーなど、緊張と弛緩を繰り返しつつも取り留めのまったくない大作。
まさか寒い倉庫で録音されたというわけじゃないよね。
幾何学模様をあしらったセンスのいいカヴァーは、ピーター・ブレグヴァド。
アルバム全体としては、のどかな印象のアヴァンギャルドの佳品です。
(ReR LDC1)
Rene Lussier | guitars, bass, daxophone, percussion | Pierre Tangury | drums, percussion |
Andre Moisan | clarinet on 1,2,3,12 | Mathieu Belanger | bass clarinet, clarinet on 4,5,7,8,12 |
Shannon Peet | basson | Allan laforest | flute, piccolo on1,5,7,8 |
Jean Dorome | flute, piccolo, alto & bariton sax | Remi Bolduc | alto sax on 1,4,7, sax solo on 5 |
Lise Bouchard | trumpet | Alain Trudel | trombone |
Pierre Cartier | contrabass | Jean Rene | alto |
94 年発表のアルバム「Le Corps De L'ouvrage」。
管楽器奏者を動員し、不協和音やノイズ、無調性の連続と即興にポリフォニックなアンサンブルも組み込んだチェンバー・ジャズ作品。
リズム・セクションがあるため、CONVENTUM よりもジャズロック寄りであり、クラシカルな明快さとモダン・ジャズ的なスリル、たがが外れたようなユーモアが交差するところが特徴である。
エキゾティックなスパイスも効いている。
演奏は明晰で骨太な手応えがあり、わりと緩いか、と油断していると、要所で鉈のようなギターとドラムスが叩きつけられて、のけぞるようなハイ・テンションの演奏が炸裂する。
全体を通して即興にはキレがあり、ユーモラスな表情を見せる瞬間ですら独特の緊張感は貫かれている。
アヴァンギャルド・ミュージックのファンに響くだけではなく、この手の音楽に身を委ねられるかどうかの試金石としても機能しそうだ。
音の感触がつややかで豊かなので、どぎついユーモアをかましても奇を衒っているような感じがまったくなく、むしろすなおなグルーヴが感じられる。
バロック音楽好きは変わらない。
映画用の作品も含まれている模様。
傑作でしょう。
6 曲目のカエルが歯を磨いているような音が DAXOPHONE でしょうか。
1 曲目「Oignon #3」は HENRY COW 系の実験的な作品。
8 曲目「Nuit Et Silence 1.2.3」は神秘的な傑作。
10 曲目「Mozote」はギターによる爆音ノイズ。
(AM 029 CD)