フランスのプログレッシヴ・ロック・グループ「TRAVELLING」。FUTURA レーベル。
Yves Hasselmann | piano, hammond organ, vocals |
Jacques Goure | bass, guitar |
Roger Gremilott | drums |
73 年発表のアルバム「Voici La Nuit Tombee」。
内容は、オルガン・トリオによるカンタベリー調ジャズロック。
ファズ・オルガンと同じくらいピアノを使うところとそのピアノにキース・エマーソンからの影響があるところが特徴だ。
フランス語ヴォーカル(スキャットもあり)もロバート・ワイアット調であり、相当に初期 SOFT MACHINE に傾倒しているようだ。
ときどきアドリヴの勢いでもろにモダン・ジャズ、フリー・ジャズしてしまうが、それもまた、「ジャズを取り込んだフリーミュージック」という意図に則ったもの、と好意に解釈したい。
聴きものは、まさに SOFT MACHINE への意識たっぷりの旧 A 面を占めるタイトル曲。
ジャズを基調にクラシカルなアクセントを利かせ大胆な場面転換を用意したプログレッシヴなカンタベリー・ジャズロック作品である。
中二的な無茶さ加減がイタリアン・ロックに通ず。
B 面は曲間に切れ目がなく、次々と進んでゆく。
この B 面は EL&P 的な雑食性を発揮した個性ある小品が並ぶ。
タイトルは「夜来る」の意。
「Voici La Nuit Tombee」(18:00)
「Flamenco」(4:02)
「Passo」(3:05)強圧的なピアノのオスティナートで迫る佳作。
「Soleil」(3:03)ここからはカンタベリーに EL&P の軽快な面を翻案して盛り込んだような展開になる。
「Tout Compte Fait」(3:27)「石をとれ」をイメージさせるファンタジックな作品。
「Shema」(3:06)再び純カンタベリー調へ。
(FUTURA RED 06 / MMP 390)