ベルギーのプログレッシヴ・ロック・グループ「WATERLOO」。 69 年結成。72 年解散。作品は一枚。 唯一作はハードなオルガン・ロック。
Jean-Paul Janssens | bass |
Jacky Mauer | drums |
Gus Roan | guitars |
Dirk Bogaert | lead vocals, flute |
Marc Malyster | organ |
Jean-Paul Musette | bass on 13-16 |
Frank Wuyts | organ on 13-16 |
John Van Rymenant | sax on 13-16 |
70 年発表のアルバム「Waterloo」。
内容は、60 年代ビートからアートロック、ブルーズ・ロックへと多様化するスタイルの息吹がまぶしい、けたたましくクラシカルなオルガン・ロック。
THE NICE、JETHRO TULL、ARTHUR BROWN、初期 DEEP PURPLE ら影響下にあり、泣きのブルーズ・ギター、リード・ヴォーカリストによるフルート、軋むように荒々しくもフットワークのいいオルガンらが織り成す激情と哀愁のサウンドである。
オルガンやヴォーカル・ハーモニーによるクラシカルで荘厳なイメージが、荒れ狂うリズム・セクションやギターの濁流のうちに切れ切れになりながらもその色合いだけはしっかりと浮かび上がらせるところは、PROCOL HARUM 流のシンフォニック・ロックといえそうなのだが、この作品は豊富なアレンジのアイデアとパワフルな演奏力によってさらにスケールが大きく感じられる。
目まぐるしくもメロディアスでリスナー・フレンドリーな展開が主なので、行き過ぎて取っ散らかり、まとまり切らなくなるのも許せてしまう。
大きくフィーチュアされるフルートは、クラシック調というよりはジャズ風の小粋なタッチが生かされていて、ワイルドなトーキング・スタイルでもキュートなアクセントとして存在感を示している。
トラッド調の哀愁をかき立てる効果もあり。
クラシカルで耳に残るフレーズやメロディ・ラインがあちこちにあるのも大したセンスといえそうだ。
同時代の英国ロックから過剰にアヴァンギャルドな面は取り除き、シングル向きというべきメロディを軸にしたポップな面をより濃く濾し出しているところは、多くのベネルクス系のグループと同じ。
オルガンを主役にした JETHRO TULL といえば分かりやすいだろう。
ヴォーカルは英語。プロデュースはジャン・マルティン。
「Meet Again」(3:03)
「Why May I Not Know」(3:08)
「Tumblin' Jack」(2:34)
「Black Born Children」(3:43)
「Life」(2:47)
「Problems」(2:59)
「Why Don't You Follow Me」(3:30)
「Guy In The Neighbourhood」(2:54)
「Lonesome Road」(2:49)DEEP PURPLE に酷似。一直線。
「Diary Of An Old Man」(10:58)ジャジーな即興大会。
「Plastic Mind」(4:26)
「Smile」(3:50)
「I Can't Live With Nobody But You」(3:42)
「The Youngest Day」(7:34)
「Bobo's Dream」(4:59)
「Bad Time」(3:20)
(CLPVB 016 / FGBG 4281.AR)