スイスのプログレッシヴ・ロック・グループ「DEBILE MENTHOL」。 79 年結成。85 年解散。アヴァンギャルドなチェンバー・ポップロック。
François Lièngme | drums | Patrice Dupasquier | sax |
Cédric P.Vuille | drums, guitar, clarinet | Yvan G.Chkolnix | bass, guitar |
Marie C.Schwab | violin, voice | Christian G.Addor | keyboards, bass, voice |
Gilles Vincent Rieder | drums, percussion, bass, violin | Jean-Maurice Rossel | bass, guitar |
Jean-Vincent Huguenin | guitar, percussion, voice |
81 年発表のアルバム「Emile An Jardin Patrologique」。
内容は、コミカルにして切れ味のいい変拍子アヴァンギャルド・ロック。
ロックバンド編成に管弦を取り入れ、室内楽とフリージャズを突き混ぜてパンクな反骨精神とヤケクソさも盛り込んだ、エネルギッシュな芸風である。
チンピラ風で変態ではあるが、妙にポップな口当たりもある。(爾来、カブキモノは人懐こい)
特徴的なのは、ふざけているのに HENRY COW と同種(細かくいうと、HENRY COW よりも若干チンドン屋寄りである、つまりロックなエッジのある ETRON FOU ?)のアカデミックな感じがあるところ。
実際、UNIVERS ZERO ばりのシリアスで屈折した現代音楽調になるところも多く、またそれがなかなか堂に入っている。
ただし、照れ臭いのかすぐにオチャラケてしまうのではあるが。
一瞬ではあるが、KING CRIMSON ばりの厳しさ、険しさを見せるところもある。(特に旧 A 面)
全体としては、ユーモアをたたえつつもパンチもあってキレもいい音楽寸劇としてきちんと構成されていると思う。
ヴォーカルがフランス語なので、独特のスケベ感もあり。(スイスというのはエリアによって使用言語が異なるようだ)
80 年代に増えてくるパンク、ニューウェーヴからのニュー・ミュージックへのアプローチの代表作である。
ごく個人的に THE CLASH が器用に小洒落たらこういう感じかと思いました。
「A Nos Mamans」(4:43)
「Mort Aux Dahus」(3:04)
「La Jupe」(5:49)
「Je Regarde Par La Fenêtre」(3:41)
「Crash Que Peut」(4:21)
「Stamoï De Cousu」(1:04)
「Très Amusant, Major」(6:05)
「Tante Agathe」(1:57)
「Coupe-Rose」(1:56)
「Spacio Cib.」(7:18)
「Rien」(1:54)
(REC REC 01)
Christian G.Addor | keyboards, voice | Yvan G.Chkolnix | scratches and screams |
Jean-Vincent Huguenin | small strings, scratched blow, large springs | Gilles V.Rieder | drums, voice |
Jean-Maurice Rossel | guitar, voice | Marie C.Schwab | violin, voice |
Cédric P.Vuille | wind, strings ans noises | ||
guest: | |||
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Bruno Meillier | sax on 1 | Pierre Kaufmann | bass clarinet on 9 |
84 年発表のアルバム「Battre Campagne」。
内容は、パンキッシュで頓狂なアヴァンギャルド・ロック。
HENRY COW の末裔ではあるが、室内楽的な面は前作よりも減退し、エレクトリックなサウンドによるノイジーでビートの強い演奏が主となる。
ポリリズミックな変拍子アンサンブルを難なくこなすなど、技巧的にも高度な演奏である。
乱痴気ヴォーカルが主役の場面も多くなったため、全体にアカデミックなインテリジェンスよりもストレートに「バカ」を打ち出しているイメージである。
あたかも、極度の集中と弛緩を繰り返し、屈折に屈折を重ねた果てにぶっ壊れて、部品がばらばらに飛び散ったような芸風なのだ。
フレンチ・ロックらしい原初的で凶暴なタッチや、チンドン屋やサーカスのジンタと同質のえもいわれぬペーソスもある。
奇怪なピロー・トークを連想させるヴォーカル・パフォーマンスは GONG のようだ。
タイトル曲は、高テンション、高密度のチンドン・ロックの傑作。ドラマティックです。
最終曲はシリアスな室内楽であり、本作品では異色。
ヴォーカルはフランス語。
「Bim-Bam」(3:19)
「Bout De Mou 」(1:45)
「A Quoi Pensent-Ils 」(5:16)
「Avalanche」(5:24)
「Mieux Vaut D'Ecker」(3:06)
「A Chacun Son Accent」(4:08)
「Caduta Massi」(3:48)
「Battre Campagne」(7:36)
「Cul De Sac」(3:37)
(REC REC 06)
94 年発表のアルバム「Emile À La Campagne」。
上記二作を含む編集盤。「Go-jaunit!」(2:30)、
「Quelle Heure Il Est?」(3:08)のボーナス・トラック 2 曲入り。
第一作は、LP と曲順が違う(A/B 面が逆)ので注意。
(ReCDec 601)