ブラジルのヴァイオリニスト「Glauco Fernandes」。 BACAMARTE でも活動。セッション・ミュージシャンとして活躍する。
Glauco Fernandes | electric violin, keyboards |
Tom Capone | guitars |
Jose Castilho | guitars |
William Murray | bass |
Mac William | drums |
Luiz Hiroshi | keyboards |
Armando Marçal | percussion |
Eduardo Campos | keyboards |
99 年発表のアルバム「Glauco Fernandes」。
内容は、エレクトリック・ヴァイオリンをフィーチュアしたメロディアスなフュージョン。
南米らしい開放的な雰囲気にクラシカルなタッチも交えた、エモーショナルにして涼し気な演奏である。
ヴァイオリン演奏のイメージとしては、80 年代前半くらいのジャン・リュック・ポンティをさらにライトでまろやかにした感じである。
ただし、爽快で官能的ではあるものの、いわゆる「フュージョン」といい切れないところ、若干の違和感もある。
それは、純クラシック、またはマイク・オールドフィールドやその末裔のニューエイジ・ミュージックに近いニュアンスが感じられるせいだ。
作者のイメージする映像的な美を優美なテーマを軸にきっちりと構築されたアンサンブルで表現した結果が、たまたまフュージョンというスタイルに似ていたということに過ぎないような気がする。
ジャジーな即興演奏よりも作曲に重きがあるといってもいいだろう。
楽器のソロが自己主張を始めて曲想を損なうようなことはなく、ヴァイオリンの旋律を中心にして、副旋律、和声的な伴奏、ビートと低音進行が丁寧に組み上げられて、その結実として、あくまで爽やかで心地よく、にもかかわらずいつしか魂を揺さぶられる音楽になっている。
曲名はそれぞれ短い言葉だが、何かの物語を暗示しているようだ。
全編インストゥルメンタル。
「Flash」(2:00)
「The Escape」(5:49)
「Soli」(7:00)
「Stigma」(9:22)最もフュージョンらしい作品。フュージョンになるには適度なブルーズ・フィーリングが要ると再確認。
「Native」(4:22)
「Scintillant」(5:36)
「Harpy's Flight」(4:53)エキゾチズムをスパイスにした独自の作風がよく分かるシンフォニック・ロックの力作。
「Shipwrecked Man」(6:40)
「Magic」(1:50)
(Popcorn Records 100001)