SOM NOSSO DE CADA DIA

  ブラジルのプログレッシヴ・ロック・グループ「SOM NOSSO DE CADA DIA」。 70 年結成。 74 年アルバム・デビュー。 キーボーディストの脱退後、二作目を発表するも、79 年解散。 二作目は、ファンキー/メローなソウル・ロックの名品だそうです。

 Snegs
 
Manito organ, synthesizer, violin, paino, flute, sax, chorus
Pedrinho vocals, drums
Pedrão bass, acoustic guitar, vocals
guest:
Marcinha, Cynara, Ivone, Tigressa chorus

  74 年発表の第一作「Snegs」。 イギリス 70 年代初期調のオルガン・ロックをベースに、エレクトリックでハードなキーボード・ロックからアコースティックな歌ものまで、多彩な音楽性を誇る。 キーボードによるたたみかけるように攻撃的で奔放な演奏と、南米らしいたおやかさをもつメロディ・ラインやハーモニーが、特徴である。 ヘヴィな演奏は、シンセサイザーを用いるにもかかわわらず、EL&P というよりも、やや前時代の THE NICEDEEP PURPLE など、アート/サイケ系ハードロックに近い。 特に、メイン・パートのアレンジは、シンプルなハードロックを思わせるところが多い。 しかし、多彩なキーボードと荒っぽくも安定したリズム・セクション、ヴァイオリンやアコースティック・ギターらによるインストゥルメンタルを充実させることで、バランスを保ち、筋を追ってゆくだけの内容を作り上げている。 ハードさと対を成すのが、フォーク・タッチの涼しげであまやかなヴォーカル・ハーモニーである。 ハイトーンのリード・ヴォーカルとコーラスを用いたメロディアスなヴォーカル・パートには、イタリアン・ロックと同じく、フォーク・タッチの素朴で優しげな説得力と、ファンキーでソウルフルなグルーヴが共存する。 キーボード主体のハードロックに南米風の熱っぽいハーモニーを加えた作風、というのが最も適切な表現だろう。 そして、演奏の中心は、マルチ・インストゥルメンタリストのマニト。 クラシック、ジャズを巧みに交えたキーボード・プレイから、ヴァイオリン、フルート、ジャジーなサックスまで、まさしく八面六臂の活躍を見せる。 全体に、初期のブリティッシュ・ロック同様、限られた音で面白く聴かせるためのアイデアが豊富であり、そのアーティスティックで技巧的な面を、叙情的でまろやかなラテン・タッチで仕上げたところに魅力がある。 フォーク、R&B、ハードロックのブレンド加減のよさは、LED ZEPPELIN と同じだろう。 向いている方向が北米南部スワンプではなく、南米の草原なだけである。 個人的には、Char のファースト・アルバムを思い出しました。
  スリリングなインストゥルメンタルとエモーショナルなヴォーカル・パートが自然な流れに配された傑作。 ブリティッシュ・ロックのファンへお薦め。 残念ながら、音質は、あまりよくありません。

  「Sinal Da Paranoia」(6:00)ハイトーンのヴォーカルと粘っこいサビがリードするシンフォニック・ロック。 イタリアの CORTE DEI MIRACOLI を思い出す。

  「Bicho Do Mato」(3:52)

  「O Som Nosso De Cada Dia」(5:10)

  「Snegs De Biufrais」(2:20)

  「Massavilha」(6:00)多彩なキーボードとシャープなリズムによるグルーヴィなラテン・ジャズロック。 音こそ洗練されていないが、爽やかな切れ味のある逸品である。 長いインストゥルメンタルを経て、中盤から、メローなヴォーカルも入る。 場違いなムーグ・シンセサイザーが面白い。 力作。

  「Direccion De Aquarius」(5:37)

  「A Outra Face」(7:54)

  「O Guarani」(7:25) メロディアスな金管風シンセサイザーとシンプルなリズムによるシンフォニック・インストゥルメンタル。 クラシカルにしてややニューエイジ、しかし、リズミカルである。 ロックンロール調への変化は、後期 EL&P と同じズッコケ感あり。 と思うと、「庶民のファンファーレ」を意識しているような素振りもあるような。 新録音と思われるボーナス・トラックである。

(PRW011)


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