フランスのプログレッシヴ・ロック・グループ「L'OEIL DU SOURD」。2004 年結成。作品は一枚。
Mathilde Clavier | vocals, clarinet, flute |
Charlotte Merand | electric violin, vocals |
Herve Launay | saxophones, keyboards, vocals |
Youenn Migaud | guitar, bass, vocals |
Antoine Tharreau | keyboards, vocals |
Cedric Lucas | drums, vocals |
Anthony Guenec | percussion on 3 |
Alais Dart | percussion on 3 |
2009 年発表のアルバム「Un?」。
内容は、オールド・へヴィ・プログレと音響派サイケデリック・ロックの合体、ややジャズ寄り。
アルト・サックスとメロトロン・ストリングスが迸りソプラノのスキャットが痙攣し、麻薬的な反復にややエキゾティックな肌合いもあるジャズロックである。
個人的にこういう文脈でのサックスの音(イアン・マクドナルドな音)に弱いので、評価の独善性が高くなってしまう。
KING CRIMSON の作品と共通する強度、硬度、哀感があるし、奔放なヴォーカル・パフォーマンスとジャジーな器楽のイメージから MAGMA を引き合いに出してもいいだろう。
チェンバー・ロック的な閉塞感、圧迫感、緊張感もあると思う。
ただし、1 曲目のインパクトから目が覚めると、意外と普通のエレクトリック・ジャズっぽい演奏が続くことに気づき、そうなるとさほど目を剥くようなことはない。(サイケデリックな、アシッドなジャズとしての魅力はまた別物としてあるとは思う)
もちろん演奏は巧みだし、サウンドも自主制作にしてはきちんとしている。
しかし、それでも本作品は、轟々と唸るへヴィなユニゾン、全体演奏とそこから立ち昇るはかない、感傷的な叙情性にこそ真価がある、と思う。
したがって、やはり、1 曲目の決意のままに最後まで走ってほしかったと思ってしまう。
サイケデリックでなおかつ KING CRIMSON というと HYPNOS 69 を思い出すが、こちらはより耽美でジャズ度合いが高い。
1 曲目は超力作。
初期 KING CRIMSON とほぼ同じ質感の音、展開です。
女性スキャットがアラレもなく乱れ、アナログ・シンセサイザーが野太い音で飛び捲くる。
2 曲目も冒頭からメロトロンがほとばしる、ミドルテンポの叙情的な作品。
やはり初期 CRIMSON 的である。ただし、コケットな女性ヴォーカルが大胆なプレイでドキドキさせる。
最終曲から判断するに、お郷は電化マイルスなんでしょう。
自主制作/流通らしく入手しにくいようだ。
「Ods」(14:37)
「a C.」(7:30)
「Kudjat (tronc)」(2:20)ラウンジ・ミュージック風の小品。
「Duex Trains Valent Mieux Qu' Un "Tu L'auras"」(12:11)
「We Area The Knights Who Say Nl!」(5:50)
「Here I Am J(h)」(17:30)
「Kudjat (cime)」(9:48)
()