スウェーデンのプログレッシヴ・ロック・グループ「Mr.BROWN」。 72 年結成。78 年解散。
Lars Meding | guitar | Hakan Andersson | acoustic & electric guitars, mandoline, vocals |
Kjell Johnsson | drums | Bo Carlberg | acoustic & electric guitars |
Rovert Svensson | bass | Anders Nilsson | piano, Hammond B3 organ, Logan strings, Arp synthesizers, bells, tabla |
Jan Peter Strahle | flute | ||
guest: | |||
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Ovriga Medverkande | congas | Mats Bengtsson | congas |
Bengt Karlsson | sax | Bruno Nilsson | sax |
Lennart Schander | harmonizer | Marie Swantezon | vocals |
77 年発表のアルバム「Mellan Tre Ögon Med」。
内容は、メロディアスなシンフォニック・ロック。
インストゥルメンタルが主だが、人懐こいテーマやさりげない上品なユーモアなど、自然なポップ・テイストがいい。
そして、愛らしさとともに北欧ロックに欠かせない、KERRS PINK や RAGNAROK のような、何ともいえないペーソスもある。
この素朴な哀愁は短調の作品(バラードだけではなく、お祭り風のにぎやかな作品も含む)だけではなく、長調の、一見華やいだ作品にも感じられる。
北欧の風土に根ざした感覚なのだろう。
演奏の主役は、アコースティック・ピアノ。
全体に感じられる品の良さと、無邪気なようできちんと律された世界は、このピアノの音によるものだ。
他にも、暖かな音色のオルガン、丹念にストロークを刻むアコースティック・ギター、夢が降り注ぐようなストリングス・シンセサイザーなど、ファンタジックで誠実なワールドを演出するに欠かせない音が揃っている。
サイケデリックなアクセントもあるが、それすら、毒気よりは微笑ましさが先立つ。
北欧ロックの魅力は、70 年代終盤になっても、いささかも衰えていない。
ヴォーカルは英語だが、違和感はない。
なお、本アルバムも、日本のコレクターが発掘したものである。
「Suicide」(6:53)PINK FLOYD/ELOY 風のギターとミドル・テンポが印象的なバラード。ただし、暗くはなく、どちらかといえば明るい。
終盤にはサックスも現れる。
「Recall The Future」(9:25)
重厚なインストゥルメンタル。
ややヘヴィな音と攻撃的な演奏も使い、リリカルなパートとの対比を付け、ドラマティックな起伏を持たせている。ギターのテーマの哀愁はやはり独特。
「Resan Till Ixtlan」(3:18)
「Universe」(3:38) CAMEL を思わせるファンタジックで優しげな作品。
ストリングス・シンセサイザーが美しい。
「Kharma 74」(5:45)
「Liv I Stad Utan Liv」(6:58) KAIPA を思わせる声色のモノローグ、演奏スタイルそのものはやや古めかしい。
「Tornet」(0:54)
「I'll Arise」(2:34)ボブ・ディラン(ルー・リードか?)風の男っぽい弾き語り。このエンディング曲のおかげで、アルバムの印象がずいぶん変わる。
(FLY KHAN 0177 / TRANS015)