フランスのベーシスト「Joël Dugrenot」。歌手ジャック・デュトロンのバックから独立、ZAO や CLEARLIGHT に参加した。ソロ作品は三枚。
Joël Dugrenot | bass on 1,2,5, vibraphone on 1,4, tubulars on 1, gong on 2, vocals on 3, 12 string on 3, harpsichord on 3, acoustic & electric piano on 4, conductor on 6 |
Francois Jeanneau | flute on 1,3,6, soprano sax on 2,5, synthesizer on 3,6 |
Serge Aouzi | drums on 1 |
Pierre Moerlen | drums on 2,3 |
Nigel Morris | drums on 5 |
Roger Deroeux | electric piano on 1,2 |
David Rose | violin on 1-6 |
David Cross | violin on 5 |
Marc Bonnet Maury | violin on 6 |
Manuel Villanoel | electric & grand piano on 6 |
Fred Frith | guitar on 2 |
89 年発表のアルバム「Mosaiques」。
内容は、ヴァイオリンや管楽器をフィーチュアしたクラシカルにして神秘的なジャズロック。
ニューエイジっぽさもないわけではないが、それよりは、70 年代 VIRGIN レーベル的というべき透明感と神秘、躍動感を備えた、ファンタジックな作風である。
PINK FLOYD や MAGMA からの「こだま」も少なくない。
演奏面で特筆すべきは、フランソワ・ジャニューのサックスとフルート。
東洋風味もある非常に美しい音色で抜群の音楽的描写力を誇る。
そしてヴァイオリン。
これら管弦によるデリケートでイメージ豊かな表現はジャズロックには贅沢すぎるほどだ。
また、テクニカルなリズム・セクション(ピエール・モエルラン、ナイジェル・モリスといったけれん味ある凄腕が密度の高い見せ場を作る)と管弦のバランスと調和が見事に保たれている。
ピアノは、どちらかといえば、ビートを強調するリズム楽器ととらえられている。
一方、ギターがアピールするのは、2 曲目のロバート・フリップばりのフレッド・フリスのプレイのみ。
この辺りの感覚、比重のつけ方も特色だろう。
トータルに観て、なかなか得がたいインストゥルメンタル・ミュージックの良作だと思う。
この音の感じからして、発表こそ 90 年だが製作は 80 年代前半に行われているのでは。
最終曲は、デュグルノが指揮を務めるチェンバー・ミュージック。仄かなエキゾチズムとコズミックな広がりがいい。
プロデュースは、デュグルノとフランク・レドリック。
「Water Light」(6:04)
「Half Fish, Half Bird」(6:19)
「Dans Le Jardin」(6:21)
「Pastel Space」(4:43)
「Pegasus Dream」(5:18)
「Sunrise Call」(4:45)
(COM6037)