フランスのプログレッシヴ・ロック・グループ「RHESUS O」。MAGMA との人脈交流あり。 唯一作はプログレッシヴなジャズロック。
Guy Pedersen | double bass, bass |
Thierry Blanchard | drums, percussion |
Serge Lenoir | bass |
Francis Moze | bass, acoustic guitar, xylophone |
Jean-Pol Asseline | electric piano, harpsichord |
Alain Monier | organ, percussion |
Alain Hatot | soprano sax, tenor sax, baritone sax, flute |
71 年発表のアルバム「Rhesus O」。
内容は、クラシックや現代音楽の影響を顕著に見せるプログレッシヴなジャズロック。
変拍子や反復を多用し、アブストラクトでクールな表現と熱っぽいジャズがぶつかりあうところに妙味のある演奏である。
SOFT MACHINE 系カンタベリー・ジャズロックを継承しながら、クラシカルで神秘的なアレンジで個性を発揮する。
思索的な深みは、より本流よりの WEATHER REPORT の最初期作品にも通じている。
アコースティック・ギターを除いてギターレスなので、キーボードと管楽器がフロントをつとめている。
キーボードはエレクトリック・ピアノとオルガンの双頭体勢で、適宜ハープシコードでクラシカルなアクセントをつける。
エレピはいわゆるジャズロックのスタイルな一方で、オルガンはサスティンを活かしたバッキングで色彩と奥行きを与えている。要はプログレっぽさを支えているということだ。
サックスは期待通りのコルトレーン・スタイル。
ただし、キレのある荒々しさではなく、饒舌ながらもややソフトなアピールが得意なようだ。
そして、ベース・ランニングを越えたベースの演奏にこだわるところもフレンチ・ジャズロックらしい。(ベーシストが 3 人もクレジットされている辺りに気合が感じられる)
変拍子のリフで演奏を支えてリードするのは主としてこのベースである。
ドラムスはさほど目立たないが、パーカッションが強調されて地響きを立てるような場面が不思議な効果を上げている。
MAGMA に加入するフランシス・モーゼ、ベルナルド・パガノッティも在籍した。
プロデュースはクロード・デルクロ。
もう少し長めの曲で展開の妙味も見せてほしかった。
「Cigüe」(2:45)曲名は最初期のグループ名だったようだ。
「Crier Pour Donner」(6:55)
「Maldonne」(5:35)
「Le Prophète Égaré」(2:10)
「Préambule」(6:20)
「Éveil」(4:35)
「Outre Tombe」(2:35)
「Parcours」(3:50)
「Nos Baignoires Sont Enchantées」(0:45)
(EPC 64560 / FGBG 4137.AR)