チェコのプログレッシヴ・ロック・グループ「FLAMENGO」。60 年代から地下活動。作品は一枚。解散後、一部メンバーは ENERGIT を結成。
Jan Kubík | saxophone, flute, clarinet, vocals |
Pavel Fořt | guitar, vocals |
Ivan Khunt | organ, vocals |
Vladimír Guma Kulhánek | bass guitar, vocals |
Jaroslav Erno Sedivy | drums |
Vladimír Mišík | vocals, guitar |
guest: | |
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Petr Král | tenor saxophoneon on 1-3 |
Vladimír Hruška | baritone saxophone on 1-3 |
Ilja Bartošek | acoustic guitar on 4 |
Karel Velebný | vibraphone on 6 |
Václav Hybš |
72 年発表のアルバム「Kure V Hodinkach」。
内容は、管楽器、特にサックスのワイルドなブロウをフィーチュアしたハードなジャズロック。
ブルージーでソウルフルなおかつメランコリックな翳りもある英国ロック調のサウンドであり、いわゆるクロスオーヴァー/フュージョンよりははるかにロック寄りの音である。
CHICAGO や CHASE に URIAH HEEP のようなけたたましさと憂鬱な表情を加味したといってもいい。
いや、英国なので IF、または、キャンベル・ライオンズの AQUILA 辺りか。
演奏の主役は、サックス、サックスとのユニゾンと荒々しいコード・カッティングで際立つギター、しなやかで男性的な歌唱で迫るヴォーカリスト。
サックスが前面に出ないときはギターとヴォーカルのコンビが駆け出すことが多く、そうなると完全にメタリックなハードロックである。(ドラムスの重量感ある打撃技もそう思わせる一因である)
そのハードロックに爆発的なパワーを誇示する管楽器が R&B の脂ぎったうねりを付け加えてゆく。
直線的なハードロックがワイルドながらも官能的なまろみを帯びてゆく、というわけだ。
また、力強いブロウで押し捲る展開のみならず、フルートやヴァイブ、アコースティック・ギターらを使ったフォーキーで哀愁あふれる表情もきっちりと出せている。
野太くけたたましい音で迫ってくるシーンが主なだけに、感傷的なヴォーカルと素朴な音が奏でるリリカルな演奏がひときわ輝く。
ブラス・ロックに「垢抜けなさ」や「野暮ったさ」「暑苦しさ」を感じてしまうリスナーも多いらしいが、この悠然たるハードロック調とブラスの融合こそは、そういった偏見をぶっ飛ばすものである。
ぜひ、お試しあれ。
熱いヴォーカルと多彩な管楽器の音に目が覚めます。
TASAVALLAN PRESIDENTTI のファンにもお薦め。
ヴォーカルはチェコ語。アルバム・タイトルはジャケットのイラスト通り「時計の中の鳥」だそうです。
BONTON の CD には 2 曲のボーナス付き。
SONY からの CD には 7 曲のボーナス付き。
「Kuře v hodinkách (Introdukce)」(2:28)
「Rám příštích obrazů」(4:00)
「Jenom láska ví kam」(2:56)
「Já a dým」(4:43)
「Chvíle chvil」(4:22)
「Pár století」(6:32)
「Doky, vlaky, hlad a boty」(4:31)
「Stále dál」(3:15)
「Kuře v hodinkách」(5:31)
以下ボーナス・トラック。
「Každou chvíli」(3:56)
「Týden v elektrickém městě」(4:05)
(Supraphon 1131287 / Bonton 491053 2)