EGG

  イギリスのプログレッシヴ・ロック・グループ「EGG」。 67 年結成 DECCA から二枚のアルバムを発表し、72 年解散。 74 年再結成オルガン中心のサイケデリックなサウンドながらあくまで知的でクールな音つくりが特徴。

 Egg
 
Mont Campbell bass, vocals
Clive Brooks drums
Dave Stewart organ, piano, tone generator

  70 年発表の第一作「Egg」。 脱退したスティーヴ・ヒレッジ以上のプレイヤーが発見できなかったためギタリストを採用しないと決心し、キーボード・トリオの道を歩むことになったデビュー作。 THE NICE に憧れながらも、オルガン・ロックというにはあまりにこんがらがったリズムを特徴とする、いかにも音楽インテリ風のクールな内容となっている。 (キース・エマーソンはプレイにしても作曲のセンスにしても、もっと粘っこく華美である。その一種の垢抜けなさが、EL&P の魅力の一つであった) 第一作にして、彼らの目論見をしっかりと実現し切った実験色の強い内容である。 1 曲目とバッハ以外は、すべてグループによるオリジナル作品。 モント・キャンベルのノーブルで男性的なヴォーカルも特徴的。 プロデュースもグループ。

  「Bulb」(0:09)爆音のみ。 作者は Gallen とあるが誰?

  「While Growing My Hair」(4:02)8 分の 6 拍子を軸にリズムを変化させるジャジーなスタンダード風の歌もの。 2 拍子系と 3 拍子系が交じり合った骨折シンコペーションと機械じかけっぽいオルガンのフレーズのため、どこか落ちつかず、ずっとムズムズしたままである。 感電しそうなオルガンの音が魅力か。 ヴォーカルだけはあくまで古めのジャズ・ヴォーカル調である。

  「I Will Be Absorbed」(5:11)変拍子パターンによる「動」と謎めいた「静」のコントラストが特徴的な英国ロックらしい歌もの。 オープニングの 8 分の 18 拍子と穏やかな 4 分の 7 拍子の二つのテーマが、ハードなオルガン、ピアノの奏でる 8 分の 13 拍子リフへと展開する、途轍もない変拍子の実験である。 この「凝り性」は、カンタベリー・ミュージックの最大の特性であり、NATINAL HEALTH から BRUFORD にまで引き継がれてゆく。 歌のメロディはノスタルジックながらも、どこか無調性風でもある。 中盤のハイ・テンションな演奏がカッコいい。 ここまで二曲はアブストラクトなイメージの演奏とジャズっぽいヴォーカルの組み合わせの妙が特徴である。

  「Fugue In D Minor」(2:49)バッハの「トッカータとフーガ」より抜粋。 やたらとヒネリの効いた実験曲が多い中においては異色の存在である。 基本は教会風オルガン・ソロにリズム・セクションを加えたものであり、オランダの TRACE 辺りと同じ芸風である。 今ではバロック音楽をポピュラーミュージックの枠内でリアレンジするのはごく普通のことだが、その端緒となったのがこの時代の前衛ロックにおけるアプローチなのである。

  「They Laughed When I Sat Down At The piano...」(1:21) ピアノによる大仰なラフマニノフ、チャイコフスキー調の演奏にトーン・ジェネレータの奇天烈な電子音が笑い声のように絡みつく。 ジョークのような作品。

  「The Song Of McGillicudie The Pusillanimous」(5:09) 8 分の 5 拍子で一直線に疾走するエネルギッシュなサイケデリック・ロック。 鋭く突き刺さるベースのリフと狂乱するハモンド・オルガン、たたみかけるようなリズムの上で繰り広げられる激しいインプロヴィゼーション。 これぞアート・ロックというべき暴力的な芸術性に満ちている。 ノーブルなヴォーカルとガレージ風の演奏のミスマッチもおもしろい。

  「Boilk」(1:04)は、テープ操作のようにピッチがユラユラと揺れ動き、ノイズやテープ逆回転による効果音が慌しく現れる。 小さな前衛。

  「Synphony No.2」(20:40)オルガンのリードでめまぐるしく変転する、旧 B 面を飾ったクラシカル・ロック・インストゥルメンタル。 (ここでの「クラシック」はバロックから現代音楽まで幅広い)ここでも、A 面同様大胆なリズム・チェンジが特徴である。
   第一楽章は、軽やかなオルガンのリフレインからベースとオルガンによるユニゾンの 4 分の 9 拍子のリフへと、発展する。 テンポアップしたかと思うと、グリーグの「山の魔王の宮殿」のテーマが快調に飛び出してびっくり。 一転落ちつく暇も無く、ジャズ色の強いオルガンのインプロヴィゼーションへと飛び込む。 油断できない展開だ。 両手でフルに弾きまくるハモンド・オルガンは、抜群の音色である。 フレージングもスリリングだ。 さらにブルージーな 4 分の 3 拍子のリズムでソロが続き、オープニングの 4 分の 9 拍子のベース・オルガンのユニゾン・リフレインに戻ってカタがつく。
  第二楽章はオルガンによる柔らかなメロディに、フロアタム、スネアの連打が重なるイントロダクション。 不気味な低音が響くと、4 分の 4 拍子でオルガンとピアノがハモるテーマへ。 再び 3 連符のドラム連打、そしてさきほどのテーマにニ拍加えた 4 分の 5 拍子におちつく。 トムトムのようなドラム・ソロが繰返される。 テーマの最後の拍が崩れ、ピッチを揺らすオルガンのメロディが重なり始める。 そしてトーン・ジェネレータの混沌としたソロへと突入。
  第三楽章(Blane)ではトーン・ジェネレータのノイズを受け、オルガンが静かに浮かび上がり、ストラビンスキーの「乙女たちの踊り」を奏でる。 声のようなノイズが、繰返されている。
  最後の第四楽章では、オルガンがスピーディにして調性の希薄な、7 拍子のテーマを提示。 ベースとドラムスはオルガンに反応し、順次ソロを繰り広げる。
  複雑なリズム展開と予想も付かないモチーフが、次々と繰り出される痛快な作品。 ハモンド・オルガンの深みのある音あっての作品だ。 キース・エマーソンばりに弾き捲くるスチュアートがきわめて新鮮。 ジャズとクラシックの間を現代音楽が駆け抜けていくようなクールネスがある。 ただしトーン・ジェネレータのプレイが長くやや辟易する。


  オルガンの可能性を追求するためにクラシックやジャズを積極的に取り込んだ実験的キーボード・ロック。 サウンドは同時代の THE NICE に通じるが、インプロに加えて変則リズムや調性の実験のような面も強調されていて、このグループの挑戦的な姿勢が分かる。 いわゆるアート・ロック、オルガン・ロックの枠には収まらないスケール感は、スチュアートとキャンベルという優れた作曲/演奏能力を持ったミュージシャンが緻密な計画とユーモアを駆使した結果だろう。 カッコいいロックは必ずしも巧みな演奏とは直結しないが、ここでは演奏力を高めることでロックのグレードを上げるということが試みられている。 ユーモアも交えており、一つの誠実なアプローチには違いない。 そして、決して理屈ばかりの頭でっかちではない。 ハモンド・オルガンのプレイに明らかなように、ロックの基本であるグルーヴやノリも一流である。 トーンジェネレータのようなテクノロジが陳腐化してしまうのとは対照的に、このオルガンのプレイ、サウンドやノリは決して時とともには色あせない。 ロックの不易な部分である。 キーボード・ロック・ファンのみならず、ジャーマン・ロックのようなサウンド志向のファンにも受けそうな内容だ。
(POCD-1843)

 The Polite Force
 
Mont Campbell bass, French horn, organ, piano, vocals
Clive Brooks drums
Dave Stewart piano, organ, tone generator
guest:
Henry Lowther trumpet
Mike Davis trumpet
Bob Downes tenor sax
Tony Roberts tenor sax

  70 年 11 月発表の第二作「The Polite Force」。 ユーモアや実験色はそのままに、ロマンティックな叙情性も加味してより聴きやすくなった。 常にクールで知的なのがデイヴ・スチュアートのプレイかと思っていたが、本作ではキース・エマーソンばりに熱いフレーズをアグレッシヴに叩き出している。 もちろんジャジーでメロディアスなプレイのセンスもいい。 前作がやや老成気味で妙に気負ったようなところがあったのに比べて、本作は素直に若々しいイメージのある作品だと思う。 プロデュースはニール・スレイヴン。 スティーヴ・ヒレッジの KHANCARAVAN のファンなら絶対に気に入るはず。

  1 曲目「A Visit to Newport Hospital」(8:26)。カンタベリー・ジャズロックの名品。 オープニングのファズ・ベースからして「これぞカンタベリー」である。 しかし、メロディアスな変拍子テーマを奏でるハモンド・オルガン、オブリガートと間奏のプレイ、控えめながらも小粋なピアノ、さらにはディストーションのかかったギターのようなサウンドは、やはりスチュアートのものだ。 どうしても HATFIELD AND THE NORTHCARAVAN を思い浮かべてしまう華やかさがある。 ヴォーカルの最後と重なるハモンド・オルガンの決めのフレーズの鮮やかなこと! ジャジーな歌メロもすばらしい。 ヘヴィさとジャジーなメロディがうまくバランスし、アートロック的なサイケ色も失っていない傑作である。 音色から考えて、二つのオルガンを使い分けているようだ。

  2 曲目「Contrasosng」(4:24)ブラス・セクションを迎えた作品。 変拍子の実験曲(レコードなら、針が飛んでいないか心配になる)としか思えない内容である。 けっつまずきそうなリフの連続。 テーマは 8 分の 5 拍子 + 8 分の 9 拍子。 おそらくキャンベルが主導権をとった野心作である。

  3 曲目「Boilk」(9:21)(なぜか第一作にもあった名前の曲だ) 鐘の音やヴィブラフォンそしてテープ逆回転効果のコラージュのような実験曲。 オルガンの逆回転音は、メロトロンに似ている。 ドラムスの逆回転音は、ギターのストローク。 電子音ノイズが唸りを上げる。 エンディングに、チャーチ・オルガンの奏でるバロック音楽(原曲はバッハらしい)が重なってくる。 この頃の常套手段ではあるが、救いの手をさし伸べられたようで心やすらぐ。 前作でも同様な部分があったが、やはり少しつらい。

  4 曲目の組曲「Long Piece No.3
  一楽章(5:07)は、オープニングのシリアスなリフレインが強烈。 ベースが 8 分の 9 拍子でリフを刻み、オルガンは 8 分の 7 拍子 + 8 分の 2 拍子、8 分の 7 拍子 + 8 分の 4 拍子、8 分の 7 拍子 + 8 分の 6 拍子、8 分の 7 拍子 + 8 分の 8 拍子のシーケンス。 頭痛がしそうな演奏だ。 エフェクトで歪んだベースとオルガンの音は、SOFT MACHINE的。 終始ポリリズミックな複雑な曲である。 ドラムスの演奏を聴いていると自分の心臓の鼓動が変になりそうだ。
  二楽章(7:37)は、鮮やかなハモンドのフレーズからキーボードの限界を確かめるような、無調/リズムレスの電気の混沌へと突っ込む。 そして一転ピアノとオルガンが絡む変拍子アンサンブルへ。 最後はオープニングのハモンド・オルガンが戻ってくる。
  三楽章(5:02)は、ベースとピアノが絡み合うイントロからへヴィーなオルガンへ。 ハモンドは軽やかに変拍子の上でメロディを奏でる。 ブレイクの応酬と見事なアンサンブル。 次第にトーン・ジェネレータの電子音が周囲を圧し始め、リズムは去ってゆく。
  最終楽章(2:51)は、ハモンドの 7 拍子リフレインと疾走感あふれる演奏。 スピーディーな 5 拍子のドラミングとともに、オルガンが走る。 数多いブレイクをものともせず、9 拍子のオルガンのリフレインと、複雑怪奇な拍子のドラムスが続いて終わる。 これは複合リズムの実験である。


  第一作とおなじく、一筋縄ではいかないキーボード・ロック。 まずはスチュアートのハードなハモンド・オルガン、ピアノのプレイで楽しもう。 とてもよく楽器を歌わせているし、要所でヘヴィで痛快な演奏をぶちかましてくれる。 (彼がレスリーを通したハモンド・オルガンをプレイするのは、この作品が最後ではないだろうか) 特に、オープニング曲や最後の組曲は楽しめる。 そして、実験的な変拍子アンサンブルも組曲でみごとに花開いた。 流れるようなハモンド・オルガンと変則的なリズムのコンビネーションは完璧である。 したがって、全体通して聴いた後には、生粋のアート・ロックからよりジャジーで現代的な音へに近づいているような感触が得られる。 このサウンドが HATFIELD AND THE NORTHNATIONAL HEALTH につながってゆくのだ。 スチュアートがプレイヤーとしてもエネルギーを使っているのに対して、キャンベルは難解で複雑な楽曲をクリエイトすることに注力している。 後に NATIONAL HEALTH において、名曲を生み出す原点がここにあると同時に、二人の方向性の違いもはっきり現れている。 完成度は第一作を凌ぐ、オルガン・ロックとカンタベリー・サウンドの分水嶺である。
(POCD-1844)

 The Civil Surface
 
Mont Campbell bass, voice, French horn, piano
Clive Brooks drums
Dave Stewart piano, organ, bass on 6
guest:
Jeremy Baines germophone, bonkLindsay Cooper oboe on 1,6, bassoon on 1,6
Tim Hodgkinson clarinet on 1,6Steve Hillage guitar on 5
Maurice Cambridge clarinetStephen Salloway flute
Chris Palmer bassoonThe Northets choir on 4
Amanda Parsons, Ann Rotherthal, Barbara Gaskin vocals on 4

  74 年発表の第三作「The Civil Surface」。 すでにグループは解散していたが、HATFIELD AND THE NORTH のメンバーとして活躍していたデイヴ・スチュアートが、ヴァージンからソロ作のオファーを受けたことをきっかけにグループを再結成して本作が録音された。 内容は、EGG らしいクラシカルな作編曲と現代音楽指向に、HATFIELDS を経たジャジーなポップ感覚が融合した前衛色濃いもの。 前作までの迫力あるオルガン・ロック+クラシックという作風をさらに発展させ、多彩なリズムと器楽による効果を綿密に計算して仕上げた音楽的な密度の高い作品集である。 変拍子や不協和音、反復を多用した現代音楽的な作風を、室内楽やロックのフォーマットにうまく落とし込んでいる。 そして、緻密にして抽象的、無機的な作編曲と強迫的な演奏にもかかわらず、独特のシニカルなユーモア・センスやロマンティシズムが分かるところがいい。 このサウンドを支えるゲストも多彩だ。 HATFIELDS のハーモニーを支える NORTHETS ばかりか、HENRY COW のメンバーや旧友スティーヴ・ヒレッジも参加している。
  タイトルである「the civil surface」という表現は「普通に見える暮らし」という意味らしい。Below the civil surface というと「市民生活の表層の下には...」のような、ややジャーナリスティックでセンセーショナルなニュアンスが出るようだ。 ジャケットのオレンジがその市民生活だとすると、その中には? オレンジを配達したらしいトラックも小さく描かれている。

  「Germ Patrol」(8:31)ややコミカルな行進曲風のインストゥルメンタル。 意図的にダイナミックレンジを絞ったようなパフォーマンスである。 一見こじんまりとしたおもちゃの行進曲のようでいて、強圧的な変拍子アンサンブルや時限爆弾のタイマーのように不気味な緻密さをはらむ。 ギターのいない HATFIELDSHENRY COW といっていい。 リチャード・シンクレアのスキャットが入ってもまるで違和感なし。

  「Wind Quartet 1」(2:20)キャンベルによる管楽器アンサンブル。

  「Enneagram」(9:06) スリリングにして洗練されたファンタジーの味わいもある名作であり、「偏執的にしてキュート」という HATFIELDS 的なセンスが強く感じられる。 いたずらっ子のようなオルガン、キャンベルのファズ・ベースもカッコいい。 坂本さんのライナーノーツにあるとおり、音数を組み合せたアンサンブルではなく、限られた音数の中、各自のフレーズとプレイヤー間の呼吸のみでいかに緊張感やドライヴ感を演出できるかという試みであり、それは大成功している。 次世代のフォロワーへの影響の源となった音の一つだ。

  「Prelude」(4:17) NORTHETS が参加し、瞬間 NATIONAL HEALTH と化す。

  「Wring Out The Ground Loosely Now」(8:11)ヴォーカルはキャンベル。 さりげなくもつまずきそうな変則リズムの上でスチュアートの爆発的なアドリヴあり。 ヒレッジのギターはおとなしめ。

  「Nearch」(3:23) 放送事故誘導箇所があるためラジオではかかりません。 打楽器と管楽器による民族音楽風の小品。スチュアートはベースを弾いているらしい。

  「Wind Quartet 2」(4:45)未知の田園風景を描いたような「1」よりも謎めいた管楽器室内楽。 どことなく御伽噺をイメージさせる、非常に美しい現代音楽である。 アルバム最後の二曲で非迎合的な姿勢を鮮やかに印象付ける。
  
(VIP-4075 / VJCP-68688)

 The Metronomical Society
 
Clive Brooks drums
Mont Campbell bass, vocals
Dave Stewart organ, piano, tone generator

  2007 年発表の作品「The Metronomical Society」。 BBC 音源やライヴ音源から構成される編集盤。 「The Civil Surface」に収録された作品も多く、名品「Enneagram」もあり。 改めて THE NICE と並び称すべき野性味あふれるモダン・クラシック寄りのオルガン・ロックの高峰であり、さらに、オルガンとファズ・ベースによる対位アンサンブルのクールさでは一歩も二歩も先へ行っていることに気づく。 この緻密に計算された、頭いい感じの音にもう一歩親しみやすさがあれば(抜けているところがあれば、かな)、チャートの上位に飛び出しただろう。 アイロニカルなユーモアというのは、信じ難いほどに世間には通じにくいのだ。 モント・キャンベルのヴォーカルがなかなかノーブルであることも再発見した。 音質は超上級の海賊盤程度だが、ファンには垂涎の内容だと思う。

  「While Growing My Hair」放送用音源。第一作より。8 分の 6 拍子による熱っぽいオルガン・サイケデリック・ロック。
  「Seven Is A Jolly Good Time」放送用音源。キャンベルのノーブルなヴォーカルをフィーチュアしたクラシカルな歌もの。真面目なようでいてカンタベリーらしいユーモア・センスにあふれる。
  「Germ Patrol」放送用音源。第三作より。 ズンドコ・ドラムスのビートの効いたクラシカルなアンサンブル。ベースとオルガンのポリフォニーがみごと。
  「Enneagram」放送用音源。スリリングな変拍子による音のパズルのようでいて抽象的なイメージにとどまらず、さまざまな表情を見せる名曲。 カンタベリーの代表曲の一つともいえる。第三作より。 このサスペンスフルな現代音楽調の緊張感とそれを突き抜けた先にある桃源郷のような開放感がクセになる。
  「Long Piece No.3 Part 2」72 年のライヴ音源。第二作より。クールなオルガンのテーマが印象的な組曲第二楽章。
  「Long Piece No.3 Part 4」72 年のライヴ音源。HF&N の第一作でも使われていたキャンベルのテーマが現れる。 第二作より。
  「There's No Business Like Show Business」放送用音源。ピアノ、オルガンとヴォーカルによるノスタルジックなスイング・ジャズ、そしてヴォードヴィル。もちろんバーリンの「ショウほど素敵な商売はない」。
  「Blane Over Camden」72 年のライヴ音源。トーン・ジェネレータによる過激なノイズ。
  「Long Piece No.3 Part 3」72 年のライヴ音源。。第二作より。
  「Wring Out The Ground Loosely Now」放送用音源。第三作より。
  「McGillicudie The Pusillanimous」放送用音源。第一作より。
  「I Do Like To Be Beside The Seaside」71 年のライヴ音源。オーディエンス録音。

(CD69-7202)

 Music From A Round Tower
 
Dirk Mont Campbell instruments
Lucianne Lassalle vocals
Barbara Gaskin vocals

  97 年発表の作品「Music From A Round Tower」。 EGG の頭脳モント・キャンベルの初ソロ・アルバムである。 内容は、素朴かつ重厚なワールド・ミュージック。 ポリリズミックな展開やマイク・オールドフィールド風のミニマリズム、空間を活かした実験的な作品もあり、プログレッシヴな内容といえる。 ポピュラー音楽向けの加工をあえて行わず、素材そのままの音のタッチを尊重していると思う。 器楽はすべてキャンベルの演奏。

(RES120CD)


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