アメリカのプログレッシヴ・ロック・グループ「PHIDEAUX」。 96 年結成。作品は 2011 年現在九枚。悪夢テイストの横溢する弾き語りフォーク風プログレ。 2018 年最新作は、7 曲入りミニ・アルバム「We Only Have Eyes For You Ep」に続いてアルバム「Infernal」(二枚組)。
Phideaux Xavier | acoustic guitar, piano, vocals | Johnny Unicorn | keyboards, saxophone, vocals |
Mark Sherkus | keyboards, piano | Linda Ruttan Moldawsky | vocals |
Molly Ruttan | vocals, percussion | Gabriel Moffat | guitars |
Mathew Kennedy | bass | 'Bloody' Rich Hutchins | drums, chant |
Valerie Gracious | vocals | Ariel Farber | vocals, violin |
guest: | |||
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Stefanie Fife | cello | Chris Bleth | flute, soprano saxophone |
2011 年発表の第八作「Snowtorch」。
内容は、キーボードをフィーチュアした大編成によるオペラ風のメロディアス・ロック。
ヴォーカルはザビエル・フィドウを中心とした男女混声体制であり、声色を効かせた演劇調の表現も多い。
イメージは、ピーター・ハミルのドラマティックな歌唱がリードする VdGG やロジャー・ウォーターズが歌う PINK FLOYD に近い。
ただし、前者のような破綻すれすれの先鋭的なカリスマ性よりも、後者に通じるアメリカン・ロックらしい音楽的文脈に寄り添うポップな安定感の配分が多い。
メランコリックで内省的な表情が基調ながらも、演奏は安定してなめらかであり、薄味ながらもカラフル、攻撃的にたたみかけるアンサンブルもたっぷりと盛り込まれている。
インスト・パートの音の密度や展開の流麗さは YES や中期の GENESIS に迫る。
演奏をリードするピアノや荒々しいエレクトリック・キーボードのプレイ、ワウ・ギターなど要所で往年の名手たちを意識しているのは間違いない。
流れるような筆致で綴られる一曲目の大作はとにかくみごと。
プログレの場合、ぎこちなさや歪さがかえって魅力になることは多いが、これだけいろいろな音を盛り込んでもあくまでさらさらとなめらかなところがすごい。
時にブライアン・ウィルソンやドノヴァンのような 60 年代サイケデリック、フォーク、ポップス風のノスタルジックであまやかな表情も見せつつ、泡沫のドラマを悠々と歌い上げる。
この切ない感じがたまらなく懐かしい。
また、シンセサイザーやメロトロンなど 70 年代プログレ必須アイテムは手堅く取り揃えられている。
特に、クラシカルなアコースティック・ピアノが抜群の存在感を見せて演奏全体の支えになっている。
他にもサックス、フルート、弦楽器などサポートは事欠かない。
とにかく、メロディアスなテーマを巡るアンサンブルには安定感があり(ロックバンドというよりもオーケストラに近い安定性である)、めまぐるしく次々に変化してもぶれることなく音楽的なスリルと興趣のみが高まってゆく。
素朴でベタなセンチメンタリズムとプログレ・ファンらしいクールなディレッタンティズムがうまく補い合って結びついた佳作である。
プロデュースは、ガブリエル・モファット。
ジャケットは「星」に見えるが、じつは「ウィルス」ではないかと思っている。
「Snowtorch - Part One」(19:42)ピアノが狂言回しになっているところから VdGG の作品を連想させる。
「a) Star Of Light」
「b) Retrograde」
「c) Fox On The Rocks」
「d) Celestine」インストゥルメンタルの傑作。EL&P 風の展開がカッコいい。終盤のチェロ、メロトロン、クラヴィネット、マリンバのアンサンブルからサックス・ソロへの展開も鮮烈だ。無窮動で突き進む。
「Helix」(5:55)女声ヴォーカルが決然とリードする重厚な作品。
MAGENTA と似た作風。いや、KAYAK かな。
「Snowtorch - Part Two」(16:29)
「a) Blowtorch Snowjob」
「b) Fox Rock 2」KAYAK ばりのメロディアスなポップ・バラード。
「c) Coronal Mass Ejection」
「」(2:34)表題作のテーマを回顧するにぎにぎしいインストゥルメンタル。クレジットなしの隠しトラック。
マイク・オールドフィールドや CAMEL のトラッド・フォーク・タッチを感じる。
(UPE: 00826677004591)
Richard J. Hutchins | drums | Armen Ra | thermine |
Julie Hair | bass | D.J. Demigod | sound making on 2,3 |
Ariel Farber | vocals, "evacuate your cities" | Valerie Gracious | vocals, "surrender" |
Mizue Kido | vocals, "wait for the sound" | Catherine Nance | "hello?" |
Will Guterman | vocals | Sydney Moffat | vocals |
Keki Moffat | "one" | Stefanie Fife | cello |
Chris Bleth | oboe, coglish horn | Tess Kraimer | narration, vocals, countdown |
David Gerval | digital stretching treatment, harmonizer | ||
Kramer | bass, fuzz bass, organ, harpsichord, baritone & noise guitar, electric piano, autoharp, high voice, echo | ||
Gabriel Moffat | funeral water, sonar, space guitar, funeral voice, space beeps | ||
Phideaux | vocals, piano, guitar, 12 string guitar, mellotron, synthesizer, electric piano, organ |
2004 年発表のアルバム「Fiendish」。
内容は、ポスト・ロック、オルタナティヴ寄りの個性派フォーク・ロック。
演奏の中心は、R.E.M のマイケル・スタイプや INCREDIBLE STRING BAND のロビン・ウィリアムソンを思わせる悪声型男性ヴォーカルに女声によるハーモニーがからむヴォーカル・パートである。
この、アコースティック・ギターやピアノが伴奏するヴォーカル・パートを軸に、ノイジーでワイルドなエレクトリック・ギターとドラムスによるビートの効いたアンサンブルがアクセントを付け、さまざまな楽器の音をふんだんかつていねいに散りばめている。
テルミンやメロトロン・フルート、弦楽器など音色の種類はかなりリッチだが、その色付けの役目は、ヴォーカル中心のドラマの流れに小刻みな変化を盛り込むことである。
まずは、歌ものプログレであるというのが特徴だ。
アメリカン・フォークといってもいろいろあると思うが、たとえば NEUTRAL MILK HOTEL に通じる病んでる感じが強く、その意味できわめて英国寄りの音なのだと思う。
ヴォーカルは、アメリカン・フォークらしい乾いた感じに微妙に賛美歌調が交じり合っている。
つまり、土の香りをまとった声に清らかで幻想的な響きがある。
そして、ポスト・ロックらしく、ファズやトレモロ、フェイザーといた 60、70 年代風の音響効果は自然に取り入れられている。
こういったエフェクトがヴォーカル・ハーモニーを巧みに揺るがせてドラマを波打たせている。
アナログらしいシンセサイザーが唸りを上げてプログレ心を刺激する場面もあるが、きわめて限られている。
中心は、やはり素朴で清らかにして薄暗い、歌である。
かように内省的でアコースティックな弾き語り風のサウンドにもかかわらず、インナージャケットには、(タイトルのとおりに)邪悪なガーゴイルの石像がいくつも載せてある。
歌詞も変わっている。
悪魔から怪物、そして「100 Mg」や「Hellphone」といった奇妙な言葉が配され、また、「Vultures & Mosquitoes」のように寓話らしきものもあれば、「Soundblast」では、太平洋戦争中に米軍が日本本土にバラ撒いた降伏を促す恐喝宣伝ビラの文句を読み上げる(クレジットによれば、この読み上げは日本人女性によるものだ)。
さらに、「Space Brother」では、いつか迎えにくるであろう異星の兄弟を待ち焦がれる気持ちが綴られる。
このように風変わりな歌詞やサウンド面などから、PINK FLOYD の弾き語りものやピーター・ハミルの作品が思い浮かんでくる。
長閑な音楽とオカルティックな意匠の組み合わせが生み出す居心地の悪さや違和感は、本作品の基調にあるのが、自己同族嫌悪の果ての自浄のための祈りに近いものであることが分かってくるに連れ、ほろ苦さに変わってくる。
精神の危うい均衡を保つための魂のささやきがこの音だとしたら、なにより過激な作品ではないだろうか。
GSYBE から FLEET FOXES までもを思い出させる大所帯による宗教的な幻想絵巻であると同時に、Matthew Parmenter と同じ個の苦悩が織り込まれている。傑作。
「Fragment」
「Animal Games」
「100 Mg」
「100 Coda」
「Hellphone」
「Little Monster」
「Headstones」
「Fiendish」
「Vultures & Mosquitoes」
「Sounblast」
「Space Brother」
(ZYZ 1001)
Rich Hutchins | drums, gongs |
Gabriel Moffat | drums, distressments, textures, decay, lead guitar, ambient loop |
Phideaux Xavier | vocals, acoustic guitar, fuzz guitar, bass |
Sam Fensler | bass |
Mark Sherkus | organ, piano, mini moog, lead guitar, synthesizer, volume guitar |
Naomi Uman | maniacal loff |
2004 年発表のアルバム「Ghost Story」。
1996 年から製作を開始するも仕上がりが悪かったために棚上げされていた作品に、「Fiendish」の発表を契機に再び取り組んで発表された。
したがって、ディスコグラフィ的には「Fiendish」に先立つ第二作となるらしい。
内容は、アコースティックな音とエレクトリックなノイズを交えた若々しいサイケデリック・フォーク、オルナタティヴ・ロックである。
クセのある声を生かした歌唱表現、ヒネリのあるメロディ・ライン、素直に叩きつけるギターの響きが印象的だ。
シンセサイザー、オルガンの音や、ファズ・ギターによるざらっとしたタッチ、ヴォーカルの電気処理などにいわゆる「アートロック、プログレらしさ」が見えてくる。
そして、ファズ・ギターがざわめく弾き語りなので ELEPHANT 6 周辺(NEUTRAL MILK HOTEL や THE OLIVIA TREMOR CONTROL とかさ)を思い出して正解だが、現代風の Lofi、パンク、ガレージっぽさの強調やエレクトリックな音響処理以上に、全体を貫く真っ直ぐな歌唱と重厚真摯なバッキングなどのオールド・ウェーヴ志向(クラシカルなハードロックも嫌いじゃなさそう)があり、そこが個性になっている。
宗教的な厳かさややり切れない無常感も渦巻いている。
いわゆるプログレの記号的な、明快な特徴はさほどでないので初めは分かりにくいかも知れないが、ドラマティックな展開はそこここに現れる。
(そう、オルガンはいい音で鳴っているのだ!)
内省的な弾き語り風のパートは、60、70 年代のフォーク系の音のファンを魅了すると思う。
まずはオールドウェーブのフォーク・ロックを甦らせた「ファズ・フォーク」であり、さらにそこから醸し出される伝統的なプログレっぽさを味わいたい。
プロデュースは、リック・ハッチンスとフィドウ・ザビエル。
「Everynight」(5:14)
「Feel The Radiation」(4:02)
「A Curse Of Miracles」(6:25)
「Kiteman」(4:30)英国流フォーク・ロックの傑作。
「Wily Creilly」(5:24)
「Beyond The Shadow Of Doubt」(7:45)アグレッシヴで劇的に展開する傑作。
「Ghostforest」(5:45)THE MOODY BLUES のような 60 年代テイストあふれる、キャッチーかつ勇気凛々のアートロック。ギターは名演では。
「Universally」(5:45)
「Come Out Tonight」(5:52)
(ZYZ 1618)
Rich Hutchins | drums, gongs |
Gabriel Moffat | drums, distressments, textures, decay, lead guitar, ambient loop |
Phideaux Xavier | vocals, acoustic guitar, fuzz guitar, bass |
Sam Fensler | bass |
Mark Sherkus | organ, piano, mini moog, lead guitar, synthesizer, volume guitar |
Naomi Uman | maniacal loff |
2005 年発表のアルバム「Chupacabras」。
内容は、アメリカン・フォークを根っこにシンフォニックなタッチやヘヴィな音も交えて仕上げた新しいオルタナティヴ・ロック。
エキゾチズムやリズム・チェンジなどサイケデリックなアートロックのセンスを生かしながらも、今回はこれまでの作品と比べると格段にいわゆるプログレらしいアレンジに富んでいる。
エレクトリックでヘヴィな音も必要に応じて入れてくる。
冒頭からの展開やエレクトリック・キーボードの多用やひねったギターのフレージングなど、IQ などの優れたネオ・プログレッシヴ・グループと同様に新世代のプログレのタッチを会得している。
オルガンやギターが堅実なバッキングでヴォーカルを支えて素朴なフォーク・ロック調を堅持しつつ、タイトなアンサンブルによるスリリングな場面や弦楽による透明感ある場面を巧みにおりまぜて起伏を作る。
演奏に安定感があるだけに、ひねた永遠の少年風リード・ヴォーカルがピアノをバックにおセンチに迫るのもいいアクセントになっている。
後半ではラウドな演奏も散りばめてくるが、そうなると余計に弾き語りフォークの歌の強さが際立ってきて、エレクトリックなサウンド・スケープに頼りきりにならないたくましさを改めて感じてしまう。
ニール・ヤング辺りに近い感性かもしれない。
アルバムは、日本の "河童" にあたるようなアメリカの架空の吸血生物「チュパカブラ」をテーマにした大作が軸になるが、それ以外にも佳曲が多い。
男女ヴォーカルで綴る 3 曲目「Party」は、90 年代のネオ・プログレをポスト・ロック風に処理したような作品。
スペース・ウィスパーあり。U2 っぽさも。
全体を通して、鬱というかメランコリックで内向きな姿勢を思わせる作風が基本である。
新興北米プログレのMAGENTA や GLASSHAMMER と違うのは、自分のオリジナルな音楽に自信をもっていてクリシェに頼る必要性をさらさら感じていないことだろう。
IZZ らとともに新時代を作り上げてほしい。
「Okay」(2:06)プログレ・ファンはここで目が覚める。
「Chupacabras」(20:41)アメリカンな物語シンフォニック・ロックの傑作。
90 年代にここまでできたグループはほとんどいなかったし、逆に、そういう時代で培ったものが、つまりネオプログレを養分に、ここに花開いている。
冒頭、終盤のインストゥルメンタル・パートは GENESIS に迫る劇的な力演。
女性ヴォーカルはけだるさが魅力。
「Supper's Calling」
「The Shepherdess」
「A Brief History Of Truth And Beauty」
「Chupacabras Stomp」
「Get My Goat」
「Study & Review」
「The Gift」
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「Party」(5:17)佳曲。前曲の重みをここでうまく逸らしている。
「Fortress Of Sand」(5:05)
「Ruffian On The Stairs」(2:59)瞬間スラッシュメタル。異色だがアクセントとしてはいい。
「Sunburnt」(2:50)
「Return Of The Ruffian」(4:17)ここでもけっこうモダンなへヴィネスを披露。
「Titan」(5:14)大御所の作品のような堂々たる傑作。
(ZYZ 1777)
Ariel Farber | violin, vocals | Valerie Gracious | vocals |
Rich Hutchins | drums, chant | Mathew Kennedy | bass, chant |
Gabriel Moffat | guitars, lap steel | Molly Ruttan | vocals, percussion |
Linda Ruttan Moldawsky | vocals | Mark Sherkus | keyboards, guitar |
Johnny Unicorn | keyboards, saxophone, vocals, chant | Phideaux Xavier | acoustic guitar, electric 12 string, piano, vocals |
2009 年発表の第七作「Number Seven」。
男女混声のリード・ヴォーカル、アコースティックなサウンドとブリティッシュ・フォーク風のナイーヴさが特徴のオルタナティヴ・ロック。
三部構成の御伽噺大作を流れるようなタッチで描き切った力作である。
中心人物が R.E.M のファンであることは間違いなかろう。
フォーク、フォーク・ロック的な表現を基本にシンフォニックなキーボードや凝ったアンサンブルを組み込んだスタイルは、デビュー作と変わらないが、この作品では分かりやすいシンフォニック・プログレ・テイストが強まった。
シンセサイザーがギューンと高鳴るような場面が現れ、ギターのプレイはいわゆるロック・ギターらしいものになり、メロトロンも「ここ」というところで放たれる。
リズム・チェンジを組み込んだアンサンブルやサックス、シンセサイザー、ヴァイオリンのアクセントなど、長丁場を乗り切るしかけも充実している。
2 曲目や 3 曲目のようにエレピの 3 連をドラムスが激しく追い込みピアノが渦を巻く演奏なんて、往年のイタリアン・ロックに近い「コテコテ」のものである。
そして、序盤から物語を一気に広げてリスナーを引き込んでゆく勢いがすごい。
いくつかの主題を巡って決然たる演奏を繰り広げる第一部、これだけで本アルバムの力の入り具合が分かる。
とにかく、無常感にじむ叙情性やたたみかけるような攻撃性の文脈が明快であり、全体にプログレ・プロパーには受け入れやすくなっていると思う。
弾き語りに悟りの境地を織り込んで不器用に淡々と歌うスタイルに、PINK FLOYD の姿がだぶることもある。
また、第二部冒頭の弾き語りでは I.S.B や FAIRPORT CONVENTION を思わせる英国フォーク調の堂々とした名演を見せる。
この第二部は、トラッド調から YES ばりの躍動感あるシンフォニック・ロックへと発展する一大クライマックスである。
男女ツイン・ヴォーカルの威力も発揮されている。
そして、第三部ではベートーベンの交響曲を思わせる重厚な幕開けを経て、テクニカルな変拍子アンサンブルへと突っ込む。
この興奮は全盛期のイタリアン・ロックと寸分たがわぬと思ったら、なんと 14 曲目はイタリア語ヴォーカルであり、みごとに往年のイタリアン・プログレになっている。
テーマは、ぶったるんだ日常から脱却し、真の人生を歩むべく下界へ飛び出した「ヤマネ」の物語。(Greggery Peccary か?!)
イラストによると、飛び出した世界で「パコ」に出てくるような「ザリガニ魔人」と戦うようだ。
衣食足りてしまうと怠惰な人間は目的を失って易々と日常という無限ループにはまってしまう、そこから飛び出して真の人生を歩むのだ、というメッセージなのかもしれないが、今更そんな紋切り型の寓話というのも疑問だし、そうなると裏の裏やら何やら深読みもしたくなる。
こんな風にうがってしまうのは、こちらに今のアメリカの病み方ではそんなにまともなメッセージを送れるはずがないという思いがあるからだろう。
僕にこんな風に思われてしまうなんて、ちょっと哀れじゃないか、アメリカも。
全体に語り口にはフォーク・ソング風の素朴さがあり、内省的で独特のたどたどしさすらある。
その一方で、音そのものからも、またフォト・コラージュによるジャケット、インナーからも、ナンセンスな薄気味悪さ(どう見ても「ヤマネ」ではなく、凶悪な「モグラ」である)やどうしようもない違和感が伝わってくる。
この不気味なすわりの悪さ、アンビバレンスは、このグループの本質的なところにつながっているように感じる。
本作品をテコに、ECHOLYN、SPOCK'S BEARD を継いで新時代のプログレの導き手となるか。期待してます。
(ZYZ 1007)