イギリスのプログレッシヴ・ロック・グループ「SOLSTICE」。 80 年代初頭に結成、84 年アルバム・デビュー。 MARILLION、PENDRAGON、IQ ら 80 年代にデビューしたプログレッシヴ・ロックのグループの中では、ヴァイオリンと女性ヴォーカルをフィーチュアしたサウンドで異彩を放つ。ギターのアンディ・グラスは MARILLION の前進バンドのギタリストでもあった。 2007 年、スタジオ盤三作プラス後発ライヴの計四作の決定盤発売中。 2010 年復活作に続き、2013 年新譜「Prophecy」発表。
Andy Glass | guitars, vocals |
Emma Brown | vocals |
Jenny Newman | violins, vocals |
Pete Hemsley | drums |
Steve McDaniel | keyboards |
Robin Phillips | bass |
2010 年発表の作品「Spirit」。
ずいぶんと久しぶりの新譜。
メンバーに大きな変更がないところからして、ゆっくりとした活動を継続してきたのだろうと推測している。
骨太にしてしなやかなギターの表現力や華やかなエレクトリック・ヴァイオリンも健在だ。
作風に大きな変化はないが、かつての特徴であった冴え冴えとした清涼感よりも懐の深い優美な立ち居振る舞いとたくましさが強調されていて、神秘性がうっすらと全体を包んでいる。
トラッド風の侘び、エキゾティックな隠し味もきちんと配されて、タイトル通りの「Spiritual」なイメージを彩っている。
そして、きらめきながらも華美ではなく、柳腰だがお涙頂戴風なところがないという微妙な一線もしっかり守られている。
凡百の女性ヴォーカル・フロントの亜流とは筋が違うのである。
演奏はギターが引っ張っていて、バンドとしての呼吸のよさもギターに頼るところが大きい。(逆に言うと、ギターが緩むと全体が緩む)
確かに、度胆を抜かれるようなところはないが、オールドウェーヴ・ロックらしい簡にして肝の据わった小気味のいいグルーヴがあるのも間違いない。
ラフなカッコよさが生来身についているのだろう。
製作は比較的簡素(スタジオ・ライヴかもしれない)だと思うが、そのせいで図らずも安定した演奏力を示すことになっている。
CD とライヴを収録した DVD の二枚組。
奢侈におぼれる人類を静かに見守りながら精霊と対話し続けてきたこういう人々にとって、昨今の「Eco 流行り」はどのように映るのだろうか。
個人的には 6 曲目「Here & Now」がいい。
現ベーシストは、第一作でフェンダー・ローズを客演していた女性の息子なんだそうです。親子で同じバンドに参加って昔のコミューンみたいだなあ。
「Solomon's Bridge」
「Sky Path West」
「Freedom」エンディングは熱いアジテーション。
「Flight」
「Oberon's Folly」
「Here & Now」アジアンなエキゾチズムを打ち出したサイケデリック・チューン。
「Spirit」
(201002)
Andy Glass | guitar, backing vocals |
Marc Elton | violins, backing vocals, keyboards |
Mark Hawkins | bass, bass pedal |
Martin Wright | drums, percussion |
Sandy Leigh | lead vocals |
guest: | |
---|---|
Margaret Phillips | Fender Rhodes on 2,7 |
84 年発表の第一作「Silent Dance」。
内容は、YES のジョン・アンダーソンや RENAISSANCE のアニー・ハズラムを思わせる爽やかでコクのあるハイトーン・ヴォイスと、ヴァイオリンを軸とした、清冽なるメロディアス・ロック。
インストゥルメンタルにおいてはプログレらしい変拍子を交えた巧みなアンサンブルも披露するが、まず印象に残るのは、爽やかなアコースティック・サウンドの質感と清潔なファンタジーの趣だろう。
スリーヴの長髪の写真や、曲の主題を自然/平和/愛といった言葉に求めるところなど、やや遅めのヒッピー志向ともいえそうだ。
もっとも、すでに時代は 80 年代、「Love & Peace」ではなくて「New Age」、「グラス」ではなくて「健康自然食」なのだろう。
透明感のある音だけに、CD の録音があまりよくないことが残念。
「Peace」(6:30)
ハイトーンを活かした爽やかなヴォーカルと、きらめく音色による演奏が清々しさを生むミドル・テンポ・ナンバー。
天上で鳴り響くようなヴァイオリンと伸びやかなギターが美しい。
リズミカルに進むテーマ部、そしてじっくり歌いこむ中盤以降と、ストーリーに合わせて演奏は巧みな変化を見せる。
ベースはシンセサイザー・ベース調の音だが、メロディアスな上ものに対する巧みなアクセントとして、効果的に機能する。
高みへ登りつめてはふわりと降りて落ちつきを見せる展開には、まさしく YES ばりのドラマがある。
ギター・ソロはスティーヴ・ロザリーが明るくなったような、もしくは JADIS のゲイリー・チャンドラーのようなスタイルであり、かなりの腕達者。
確かにいかにもポンプといってしまうとその通りだが、HM/HR や NEW WAVE ばかりの世の中では、この音は相当新鮮だったのだろう。
南米辺りのグループにありそうなピュアな感覚とオプティミスティックな響きをもつ好作である。
「Earthsong」(6:38)
夢見るような美しさの中に哀しい思い出のような翳りが浮かび上がる内省的な作品。
ヴォーカルはみごとにジョン・アンダーソン風であり、高音で美しいメロディをなぞりつつもどこかメランコリック。
演奏も、アコースティック・ギターの歯切れよいアルペジオ、コード・ストロークや水面に広がる紋のようなエレピなど、ジャジーにして水滴に踊る光のようなきらめきを見せるが、やはり憂鬱である。
フランジ系のエフェクトを効かせたお決まりのベースが加わると、雰囲気はいわば「沈み込んだアンビエント・ミュージック」といった趣になる。
歌詞もかなりスピリチュアルなもののようだ。
ヴォーカルとシンセサイザーが幻想味を強めるも、やはりアコースティックな印象が強い。
「Sunrise」(4:07)
ヴァイオリンがフィーチュアされたトラジックなシンフォニー風の作品。
厳かなアカペラがドラマチックな曲調をリード。
ヴォーカル・ハーモニーには、ややシャーマニックなニュアンスもあり。
ミドル・テンポを刻み込むリズム・セクション。
そして始まるインストゥルメンタルは、オーヴァーダビングされたヴァイオリンが、ジプシー風のエキゾチズムを演出しつつ、かけあいながらリードする。
それでも、全体の調子は真摯かつ悠然たるシンフォニーである。
エンディングは長調へとみごとに転調し、重厚そのもの。
ほのかに余韻を残すヴァイオリンがいい。
「Return of Spring」(4:53)
前曲から一転して華やかなテーマをもつインストゥルメンタル。
喜びに沸き立つようなテーマに続くのは、アコースティック・ギターとヴァイオリンによるジャジーで官能的な演奏。
ステファン・グラッペリ風だ。
快調にテンポ・アップしてからも、軽やかなヴォカリーズとヴァイオリンのリードする溌剌としたアンサンブルが続く。
走りながらも細かく表情を変化させるヴァイオリンがみごと。
ギターはアコースティックのみ。
エンディングの 7th の響きがいい。
「Cheyenne」(5:59)
祈りのようなバラード。
演奏は淡い色調のシンセサイザーときらめくようなギターのコードのみに抑え、アカペラの一人二重唱をフィーチュアしている。
中盤からは、インディアンの言葉による呪文のような繰り返しがエキゾチズムを盛り上げる。
ドラムスはトライバルなビートを刻む。
「Brave New World」(8:46)
GENESIS と YES のいいところどりをしたようなシンフォニック・ファンタジー。
ストリングス・シンセサイザーの柔らかな響きと、生音に近いギターは YES であり、独特のレガートと繰り返しを多用するギターのフレージングと後半の語尾でピッチを上げるシンセサイザーのリフレインはまさしく GENESIS。
こうなると、ヴォーカルは俄然ジョン・アンダーソンである。
終盤のシンセサイザーのリフレインには思わず胸が熱くなる。
テーマがシンプルなだけに、YES や GENESIS の牧歌的シンフォニック・ロックの領域にまでは到達しないが、ギターやシンセサイザーのソロには明らかに意識がありそうだ。
いわゆるプログレという観点では、最もそれらしい作品である。
取ってつけたような印象がないのは、プログレ・クリシェを使いつつも、自分たちの特徴であるサウンドをきちんと活かしているからだろう。
「Find Yourself」(6:03)
官能をくすぐるエレピとコケットなヴォーカルをフィーチュアしたポップなバラード。
インストゥルメンタルでは、ヴァイオリンとギターが短めのフレーズで必要十分にきっちりと決めている。
おかげで全体の雰囲気は、ゴージャスながらも引き締まっている。
メロディもよく、夕暮れのドライヴにはピッタリの BGM となり得る。
プログレ風の作品が並ぶ中に置かれているだけに、一層存在感が増している。
「White Lady」(5:46)ボーナス・トラック。
男性ヴォーカルを中心としたメロディアスな前半は、ストレートかつ美麗なメロディ・ラインで盛り上がり、ほぼ本アルバムと共通する曲想である。
しかしながら後半は、一気にテンションが高まって、ダリル・ウェイばりのぶっ飛んだヴァイオリンがリードする疾走型インストゥルメンタルへ。
突っ走りながらも、CURVED AIR や WOLF と同じく牧歌的で賑々しい雰囲気も保っている。
演奏が痛快なだけに、リズムがシンプルで軽めなのが残念。
フュージョン、ポップスからニューエイジ風味のインストゥルメンタルまで、盛りだくさんの内容を誇る佳作。
すべての作品が、すなおな音色を重視したストレートなものであり、オリジナルで涼感あふれるロック・サウンドが確立している。
ヴァイオリンやギターのメロディアスにしてスリリングなプレイが眩く輝き、エキゾチズムを伴うサイケデリックな浮遊感やエキサイティングなドライヴ感も、たっぷり盛り込まれている。
特徴をあげるならば、ふくよかな音色のヴァイオリン、パーカッション風のドラムス、エキサイトしても清涼感を失わないアンサンブル、清楚ながらパンチも効いた理想的なヴォーカルなど。
とにもかくにも、オリジナリティある音です。
(MICY 1007)
Andy Glass | guitar, programming, backing vocals |
Marc Elton | violins, backing vocals, keyboards |
Heidi Kemp | vocals |
Craig Sunderland | bass |
Pete Hensley | drums |
93 年の第二作「New Life」。
メンバー交代を経た、約八年ぶりの作品。
前作の流れを汲みつつ、多彩なヴァリエーションも見せる作風となる。
アコースティックな美感に加えて、輪郭のはっきりとしたエレクトリックな味わいも増している。
女性ヴォーカルとヴァイオリンをフィーチュアした演奏は、ニュー・エイジ風の透明感も見せ(ややステレオ・タイプ化してはいる)、清冽かつシンフォニック。
シンセサイザーとヴォーカルのコンビネーションによる淡い色調をベースに、アコースティック・ギターとヴァイオリンの生む柔和な詩情と、エレキギターとヴァイオリンによる眩いドライヴ感を、巧みに対比/調和する作風である。
アコースティックな音質を大切にするという意味では、CURVED AIR や RENAISSANCE にも通じるといえるだろう。
フォーク的な素朴さとクラシカルな装いを兼ね備えているといういい方もできる。
加えて、ポップス的なアプローチやジャズロック的な演奏も見られる。
「Morning Light」(3:46)
前作と比べエレクトリックなタッチの強まりにやや驚かされるが、きわめてオーソドックスとえいるメロディアス・ロック。
シンプルにしてストレートに感動を呼ぶスタイルである。
デジタルな音色に慣れれば、熱きパッションに触れるのは比較的たやすい。
ギターは、HM 的なクリシェを多用するスタイルながらもよく歌っている。
残念ながら女性ヴォーカルには前作ほどのきらめきはない。
「Guadian」(10:42)
ヴァイオリン、ヴォーカルをフィーチュアしたロマンティックなバラードから、スリリングなインストゥルメンタルへと発展する大作。
最初の間奏部では、一転してややジャジーでエネルギッシュなヴァイオリン、ギターのソロの応酬がある。
フュージョンでもハードロックでもないテクニカルな演奏は、なかなかカッコいい。
間奏の勢いのままヴォーカルがソウルフルな調子で復活し、再びフォーク・タッチへすっと落ち込む展開も鮮やかだ。
終盤のギターは堂々たるプレイだが、やや前半の空気を消し去っている。
本アルバムにおいては異色といえる、テクニカル・プログレ調のシンフォニック・ロック佳作といえるだろう。
悩ましげなニュアンスをもつヴォーカル・パートなど、ポーランドの QUIDAM の大作を思わせるところもある。
「The Sea」(6:52)
ロマンティックかつファンタジックなインストゥルメンタル。
ギターとヴァイオリンをフィーチュアした、華やかにして哀感もあるアンサンブルである。
劇的な抑揚をもつギターと、暖かみある語り口をもつヴァイオリンが、絶妙のコンビネーションを見せる。
ギターはハケット、ロザリー風のレガートなポルタメントからメタル調のスタッカートまで、さまざまなプレイを見せるが、何より基本的な歌わせ方がうまい。
「New Life」(4:54)
シンプルなリズムに驚かされる、チャート・ポップス風のキャッチーなニューウェーヴ・ロックンロール。
軽快なポップ・テイストは主に歌メロによる。
演奏そのものは、他の曲と同様に、ヴァイオリン、エレキ/アコースティックの両ギターの音をぜいたくに配しており、きわめて充実している。
特にヴァイオリンの底力が、こういう作品では顕著である。
キーボードは控えめ。
「Pathways」(5:04)
テクニカルなユニゾンとスリリングなインター・プレイ、ソロが繰り広げられる快速ロック・インストゥルメンタル。
ヘヴィな音や強烈な変拍子パターンもあり、迫力満点だ。
シンセサイザーを用いてファンタジックなムードもキープしつつ、フロントはあくまで切れ味鋭い演奏を繰り広げる。
ジャズロックと呼ぶにはリズムがシンプルであり、スキャットや HM 風のギターの存在も独特である。
やはり、テクニカルなポップスという位置付けになるのだろう。
ただし、派手なプレイが連発するにもかかわらず、技巧の生むスリルよりも音の美しさとバランスに力点があると思う。
つまり、DIXIE DREGS 的というよりは WOLF 的ということになりそうだ。
「The Journey」(10:03)
フォーク・タッチのメロディをテーマに、美しくも哀しげなドラマを綴る大作。
終盤にかけてクラシカルな広がりと厚みも生まれ、シンフォニックに盛り上がる名品である。
清潔感と悲劇的な重厚さを底流に、素朴なファンタジー、エキゾチズム、ほのかなラテン・テイスト、軽やかなクラシック・テイストを交えながら進んでゆく、変化のある内容だ。
ここでもヴァイオリンによる展開のリードが目立つ。
序盤は、まさに甦るアコースティック GENESIS そして RENAISSANCE。
ホイッスル風のシンセサイザーがささやく YES のようなメロディ・ラインは、最後まで幾度となく繰り返される。
ヴァイオリンのオブリガートが ARTI+MESTIERI を髣髴させる瞬間も。
中盤ではリズムも強調され、ややエキゾチックな味わいあり。
ただし、このエキゾチズムですらも、80 年代ポップスのニュアンスを強める。
目まぐるしく雰囲気を変化させる演奏は、最後にはアコースティックな音による哀愁のアンサンブルへと流れ込んでゆく。
グループの多彩な音楽性を披露する名曲。
よりクリアーな音響と明快な語り口によって、前作よりも楽曲の味わいが深まる。
プログレ然としたところがなくなり、爽やかさはそのままに、ナチュラルなポップ感覚が現れている。
一部ややいき過ぎな感があるも、前半における繊細なロマンチシズムと最終曲は、たしかに感動的。
アコースティック・ギターとヴァイオリンによるたおやかな演奏においても、ハードなギター・ソロやバトル調のインタープレイにおいても、主張が明快なのだ。
柔らかなヴォーカル・ハーモニーもいい感じだ。
JADIS にヴァイオリンと女性ヴォーカルが加わった感じ、もしくはモダンな CURVED AIR といえば分かりやすいだろうか。
ギターは、ややヘヴィな音を用いるようになったが、クリシェにとどまらないすばらしい表現力をもっている。
女性ヴォーカルは、個人的にはもう少し大人な方がいいです。
(PRO 017)
Andy Glass | guitars, backing vocals, programming |
Marc Elton | violins |
Clive Bunker | drums |
Emma Brown | vocals |
Craig Sunderland | bass |
97 年発表の第三作「Circles」。
新メンバーとして、ドラムスに元 JETHRO TULL のクライヴ・バンカー、ヴォーカリストとしてエマ・ブラウンを迎えている。
流麗なるヴァイオリンと女性ヴォーカル、そしてそれらとは対角線上にある、ややメタリックなギターをフィーチュアするアンサンブル、という独特のスタイルは変わらない。
また、前作で若干感じられたリズムの軽さは、ベテラン起用が当たったか、全く気にならなくなった。
モダンなギターとヴァイオリン、ヴォーカルの取り合わせはかなり難しいところだが、ギターがバッキングで、ヴァイオリン・ヴォーカルがメロディを受け持つ場合や、各々のソロでは、ギターのパワーと音色のコントラストがよく活きているようだ。
しかし、やはり率直に耳に訴えてくるのは、アコースティック・ギター、ヴァイオリン、ヴォーカルのアンサンブルである。
エフェクトでトリミングしたソフトなベースは、ニュー・エイジ、フュージョン・テイストの源だろう。
作品は、目一杯のリリシズムを感じさせるフォーク・ナンバーから、ドライヴ感に満ちキラキラとした光沢のあるナンバー、そしてジャジーなインストゥルメンタルなど、どれも粒よりだ。
アンディ・グラスのスピリチュアルな歌詞も、既にこのグループの特徴となっている。
また、安定感があり過ぎる分、前作までほどは突き抜けるような華やぎが感じられないという見方もあるだろう。
ニュー・エイジ風の清涼感を漂わせつつも、鋭く切り込むギターと安定感抜群のドラムスが打ち出すビートが、ひ弱なポップスではなくロックであることを主張している。
また、メロディックであることを突き詰めた結果生まれた爽快感こそ、かれらの音をポンプから引き離し、新しい世界へと羽ばたかせている原動力だ。
叙情性と躍動感がバランスよくブレンドした好作品。
「Salu」(5:23) インストゥルメンタル。ゆったりと飛翔するようなイメージだ。
「Circles」(8:30) ぐっとシンプルになった YES といった感じの作品。
「Soul To Soul」(7:18) いかにも女性ヴォーカル向けのポップ・バラード。ギターのナチュラルなディストーション・サウンドが心地よい。
スロー・テンポでも歯切れがいいのは、ドラムスの腕前だろう。
「Thank You」(5:49) ハードロック調のギターと、メロディアスなヴァイオリンをフィーチュアしたミドル・テンポの歌もの。
ワイルドなギターが浮いているところも含めて CURVED AIR 風。
「Medicine」(5:48) 厳かなヴァイオリンをフィーチュアした癒しの弾き語り。
ヴォーカルがあまり溌剌とせず、空ろな印象だが、終盤になってようやく盛り上がる。
「Sacred Run」(6:16)力強くスリリングな好作品。
「Coming Home」(3:02) インストゥルメンタル。
「Spirit」(3:53) ボーナス・トラック。
(BELLE 97354)
Andy Glass | guitars, vocals |
Clive Bunker | drums |
Emma Brown | vocals |
Jenny Newman | violins, vocals |
Steve McDaniel | keyboards |
Robin Phillips | bass |
2002 年発表の作品「The Cropredy Set」。
1998 年、クロプレディで行われたライヴ・パフォーマンスをその翌日にスタジオで再現した擬似ライヴ・アルバム。
同年活動停止したため、今のところ唯一のライヴアルバムである。(2010 年新作発表に伴って活動は再開した)
新曲の民俗調インストゥルメンタルとドラマーのクライヴ・バンカーのソロ・アルバムの作品から一曲以外は、すべて三枚のオリジナル・アルバムからの作品である。
全体にリラックスした感じのパフォーマンスである。
個人的にはもう少しヴァイオリンとギターの間の火花が散るようなインタープレイがあるとさらによかった。
そんな中で、第三作収録の「Sacred Run」はプログレらしさあふれる力演。
「Morning Light」
「New Life」
「Find Yourself」
「Circles」
「Ducks On The Pond」
「Awakening」
「Medicine」
「Thank You」
「Sacred Sun」
(ANDCD 53)